ボクシング・中谷潤人、同門ボクサーのリング事故受け悲痛「悲しい…早く帰ってきてと念送りたい」安全策で私見も「選手もリスク意識を」
ボクシングWBC・IBF世界バンタム級統一王者の中谷潤人(27)=M・T=が6日、都内で取材に応じた。所属ジムの先輩である神足茂利(28)が2日の試合後に救急搬送され、「急性硬膜下血腫」で緊急開頭手術を受けたことを受け、「(ボクシングは)お互いリスクがある中でダメージを与え合うスポーツだが、こういう状況になってすごく悲しい。(回復を)祈ることしかできない状況は歯がゆいが、一人でも多くの人が思いを届けてくれれば神足君にも届くと思うので、僕自身もしっかり早く(回復して)帰ってきてくれるように念を送りたい」と悲痛に語った。
神足は2日に後楽園ホールで行われた東洋太平洋スーパーフェザー級タイトルマッチ12回戦で、王者・波田大和(28)=帝拳=と大接戦を演じたが、引き分けで王座奪取を逃した。試合後は自分の足で控え室まで戻ったものの、医務室で意識レベルが低下。救急搬送されて開頭手術を受けた。
中谷はこの一戦に向けて、神足にサウスポー対策のアドバイスを送るなど協力していた。試合翌日には病院にお見舞いに行ったことを明かしたが、まだ意識は回復していない。
この興行では、日本ライト級王座挑戦者決定戦でTKO負けした浦川大将(28)=帝拳=も試合後に救急搬送され、急性硬膜下血腫で緊急開頭手術を受けた。競技のあり方が揺らぐ緊急事態に日本ボクシングコミッション(JBC)も再発防止策を検討しているが、中谷は私見として「僕自身も数多くスパーリングをするタイプなので、練習の段階からMRIを撮ってもらって脳の状態を把握している。健康状態をチームと共有することは大事になってくる。試合もリスクが高い場所だが、練習の段階から繊細にやらないといけない」と考えを明かした。
試合だけでなく、スパーリング等でもダメージを負うリスクが高いだけに、中谷自身は脳の専門医から話を聞いてリスクに備えているという。「どういう状況がダメだとか(話を聞いた)。選手自身が(リング事故の)リスクをわかっておくことで、意識レベルだが、より安全な方向に持っていけると思う。ちょっと頭が痛いなと思ったら病院で診てもらうとか、選手自身の個人個人の意識も大事になってくる」と、自分を守る意識も強調した。
この日は、WOWOWの番組収録に参加。この模様は「エキサイトマッチSP『中谷潤人VS西田凌佑』『那須川天心VSサンティリャン』」として、8月11日午後9時からWOWOWライブ、WOWOWオンデマンドで放送・配信される。





