井上拓真 兄・尚弥に続いた!判定勝ちで亀田兄弟以来の兄弟世界王者誕生

12回、サラパットを攻める井上拓真(右)=東京都大田区総合体育館
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 「ボクシング・WBC世界バンタム級暫定王座決定戦」(30日、大田区総合体育館)

 トリプル世界戦のセミファイナルでWBC世界バンタム級暫定王座決定戦が行われ、同級5位の井上拓真(23)=大橋=が3-0(117-111)の判定で、同級2位のタサーナ・サラパット(25)=タイ=を破り、WBA世界同級王者の兄・尚弥(大橋)に続く兄弟王者となった。兄弟世界王者は国内では亀田兄弟(3兄弟=興毅、大毅、和毅)に続き2例目。

 13戦目で世界初挑戦の拓真は初回から積極的に仕掛ける。サウスポーのサラパットに対し、思い切りのいい右ストレートで主導権を握る。2回に偶然のバッティングが起こり、拓真が鼻、サラパットは左まぶたをカットした。

 サラパットの傷が深く、負傷判定の可能性を考えた両者の攻防のペースが上がる。4回終了時の公開採点はジャッジ3人とも39-37で拓真のリードとした。後半に入ると拓真はフットワークを使ながらカウンターを狙う。8回終了時に77-75、78-74、79-73とリードを広げると、最後まで反撃も許さなかった。

 念願のベルトを巻いた拓真は「最高です。皆さんのおかげで最後まで踏ん張ることができました」と観衆に応えた。続いて「まだまだ暫定なので正規の王者じゃないんでここでは喜んでいられません」とさらなる躍進を誓った。

 拓真は世界中に衝撃を与え続けている“怪物”尚弥の弟。神奈川・綾瀬西高時代に高校2冠となり、2歳上の兄を追うように13年12月に大橋ジムからプロデビュー。16年12月には当時のWBO世界バンタム級王者マーロン・タパレス(フィリピン)への挑戦が決まったが、拓真が練習中に右拳を負傷したため中止となった。今回2年ぶりに巡ってきた世界戦のチャンスだった。

 拓真の通算戦績は13戦13勝(3KO)。サラパットは49戦48勝(33KO)1敗。

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