【にしたん社長の人生相談 西村誠司氏のお悩みクリニック】高齢の母が転倒…親の老いとお金、どう向き合えば

 にしたんクリニックなどを展開するエクスコムグローバル株式会社の西村誠司社長があなたの悩みに答えます。

 【相談】 50代の専業主婦です。離れて暮らす高齢の母が転倒し、急きょ帰省することになりました。大事には至らずひと安心したのですが、交通費は往復で万単位ですし、生活用品の立て替えなどで、想定外の出費がかさみました。年金暮らしの親に「出してくれ」とは言えません。自分の家庭も息子の学費などで余裕がなく、今後も同じことが起きるのではと不安です。父は健在ですが、私は一人っ子なので、両親とも私以外に頼れる人がいません。親の老いとお金、どう向き合えばいいのでしょうか。親の収入は年金のみです。持ち家ですが築30年でリフォームの必要もあるようです。「子供に迷惑はかけない」と言ってくれていますが援助したいですし。夫の両親は健在ですが似たような年齢で夫にも頼みにくいのです。物価高でスーパーで食料品を買ってもすごい高いですし、光熱費もキツいです。生きるってしんどいですね。

 【回答】 文章を読んでいて胸がぎゅっと締めつけられる思いがしました。突然の出来事に対応しながら、親のこと、自分の家庭のこと、お金のこと、そのすべてを一人で抱え込んでおられる。そのしんどさは決して大げさでも弱音でもありません。「生きるってしんどいですね」という一文に、今の現実がそのまま表れているように感じました。

 まず大前提としてお伝えしたいのは、あなたはもう十分すぎるほど、ちゃんと向き合っています。親が転倒したと聞けば、すぐに帰省する。その交通費や立て替えを「仕方ない」と飲み込む。年金暮らしの親に負担をかけまいと、自分の家計が苦しくても言葉を選ぶ。その一つ一つが、簡単にできることではありません。

 親の老いとお金の問題は感情と現実が強く絡み合います。「出してあげたい」「でも余裕がない」「先のことを考えると怖い」。どれも自然な感情です。そして一人っ子であるがゆえに、責任が集中してしまう。その重さも想像以上でしょう。

 ここで大切なのは、「全部を自分一人で背負わない」ことです。気持ちの上では、どうしてもそうなりがちですが、現実的には線引きが必要になります。たとえば、今回のような突発的な出費と、今後恒常的にかかる可能性のある費用は分けて考える。親御さんの年金額、医療費、介護保険で使えるサービス、自治体の補助や見守り制度。これは「親に迷惑をかける」のではなく、「使える仕組みを使う」だけの話です。

 「子供に迷惑はかけない」と親が言ってくれるのは、ありがたい言葉です。ただ、それを文字通り受け止めすぎて、あなたが無理を重ねてしまう必要はありません。迷惑をかけない=一切頼らない、ではない。お互いにできる範囲で支え合う、という意味に捉え直してもいいと思います。

 また、ご主人に頼みにくいお気持ちもよく分かります。ただ、これは「あなたの実家の問題」ではなく、「家族全体で向き合う現実」でもあります。すべてを丸投げする必要はありませんが、状況や不安を共有することは決して甘えではありません。言葉にしないまま抱え続ける方が、あとで大きな歪みになります。

 物価高、光熱費の高騰、将来への不安。今の時代、多くの人が同じように感じています。だからこそ、「自分だけが弱い」「自分だけが苦しい」と思わないでください。あなたが感じているしんどさは、社会全体の構造の中で生まれているものです。

 完璧な答えはありません。ただ一つ言えるのは、あなたが今抱えている悩みは真面目に生きてきた証拠だということです。親を思い、家庭を思い、自分の立場を考え続けている。その姿勢そのものが、すでに十分立派です。

 どうか少しずつでいいので、現実を整理し、頼れる制度や人を見つけてください。全部を一気に解決しようとしなくていい。今日より少しだけ楽になる選択を重ねていく。その積み重ねでしか、この問題は前に進みません。

 生きるのは確かにしんどい。でも、あなたは一人ではありません。そう思っていただけたら、それだけでこの相談には意味があったと思います。

 ◇西村誠司(にしむら・せいじ) 1970年生まれ、愛知県出身。「イモトのWiFi」「にしたんクリニック」などを展開するエクスコムグローバル株式会社代表取締役社長。名古屋市立大学を卒業後、外資系コンサルティング会社に入社。2年で退職して25歳で起業、現在年商333億円に成長。TikTokフォロワー数7万6000人。

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