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【野球】逃がした魚は大きすぎる なぜ阪神はドラフト1位で大勢を指名しなかったのか

 開幕から苦しんでいる阪神。どうして、ドラフト1位で巨人・大勢投手(22)を指名しなかったのだろうか。シーズンは130試合以上残っているが、課題の多いスタートとなっている。中でも、ストッパー候補として獲得したカイル・ケラーが開幕戦で大炎上。広島3連戦の初戦でも打ち込まれた。

 それに比べ、覇権奪回をもくろむ原巨人は、開幕から順調に白星を重ねている。その要因の一つになっているのが、新人ながらストッパーとして活躍する大勢だろう。大勢は3月25日の中日戦(東京ドーム)で、新人としてセ・リーグ初の開幕戦セーブを記録した。また、翌26日の同戦ではプロ野球史上初となる新人として開幕から2試合連続でセーブを挙げた。開幕5戦目となった30日のヤクルト戦(神宮)でもMAX154キロを主体にした投球で、早くも4セーブ目をマークしている。今の巨人にとっては欠かせない戦力となっている。

 もちろん他の要素もあるが、ケラーと大勢の投球の差が現状では両チームの成績に直結しているのは間違いない。そう考えると、阪神にとっては昨年のドラフト会議で大勢を指名しなかったことが悔やまれてならない。

 このときのドラフト会議で、阪神は小園健太(18)を入札したが抽選で敗れ、森木大智(18)を1位で指名。一方、巨人は4球団競合した隅田知一郎(22)の指名権を獲得できず、いわゆる外れ1位で大勢を指名した。阪神が小園ではなく最初から大勢を単独1位指名していれば、彼が今頃、縦じまのユニホームに袖を通していたことは間違いない。

 森木の将来性、潜在能力は申し分ない。近い将来、阪神のエースとして活躍できる素材だろう。だが、今季限りで阪神を退団する矢野燿大監督にとって、昨年あと一歩で優勝を逃がした屈辱を晴らし優勝を勝ち取ることこそが、最優先事項だろう。2年連続セーブ王のロベルト・スアレスの穴を埋めるストッパー役の即戦力として、大勢の指名に踏み切る選択肢があってもよかったのではないか。

 大勢は阪神と接点のない投手ではない。甲子園のある兵庫県の西脇工の出身で、その後は阪神リーグ1部の関西国際大学に進学。2020年3月に行われた阪神2軍との練習試合では、4回を投げて3安打2失点5奪三振と好投している。しかも、甲子園で黄色いジェット風船を飛ばすほどの阪神ファンだったと聞く。獲得すれば、興行面でもプラスに働く選手だったに違いない。

 確かに今後、大勢がこのまま順調に成績を積み重ねる保証はない。阪神にしてもこのまま手をこまぬいているはずはなく、ストッパーとして活躍できる投手が出てくる可能性もある。だが、現段階では、逃した魚は大きすぎる-と思えてならない。=敬称略=(デイリースポーツ・今野良彦)

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