【野球】阪神・小幡の好プレーを本人&コーチ陣が振り返る 守備+走塁の貢献度 田中コーチ「野球勘がある」
阪神の小幡竜平内野手(24)が、ここ最近遊撃のレギュラーに定着している。現在9試合連続ヒットと、打撃でも存在感を放っているが、持ち味の守備と走塁でチームへの貢献度も高い。田中1軍内野守備走塁コーチも「野球勘がある」と評するショートストップ。交流戦までに見せた好プレーを本人、コーチ陣が振り返った。また、ケガでの一時離脱もあった中で、定位置を確固たるものとするための取り組みにも迫った。
交流戦、小幡が走塁で魅せた。13日の楽天戦の四回だった。先頭でヒットを放ち出塁すると、続く豊田の左飛で一塁から二塁へタッチアップ。好走塁でチャンスを広げた。「高いフライが上がって、レフトも(捕球体勢が)余裕そうに見えたんで、いこうと思いました」。常に前の塁を狙う、積極姿勢が現れたシーンだった。
一塁ベースコーチを務める、筒井外野守備兼走塁チーフコーチも驚いていた。「薄暮で(打球が)見えづらかったんで、ハーフウエーでもよかったんだけど、判断がよかったです」とうなずき、「脚力もある中で、いい判断をできる」と魅力を語った。
守備でも魅せる。18日のロッテ戦では1点リードの五回1死一塁から、西川が左中間への打球を放った。一走・藤岡は本塁へ突入したが、遊撃の小幡は中堅・近本との無駄のないカットプレーで、本塁タッチアウト。同点のピンチから救った。
このプレーは、準備と瞬時の判断が両立されたものだった。肩の強い小幡は、打球を近本が捕る時点で少し距離を詰めていた。「近本さんと(左翼の)森下では肩の強さも違いますし、その分縮めたりとかは考えてます」。さらに、首を振って中継プレーのラインを整えながら、相手の三塁コーチャーも確認。回してるのを察知し、素早く送球。アウトにつなげた。
ファインプレーに田中内野守備走塁コーチは「肩の強さは彼のストロングポイント。あのプレーで勝ったみたいな試合だった」と絶賛した。小幡は担当スカウトとして、高校時代から見てきた選手。「野球勘と肩の強さ、スピードはあった」と素材を見抜いていた。
一瞬でダイヤモンドを駆け抜けた試合もあった。4月22日のDeNA戦、バウアーからセーフティーバントで出塁。直後に盗塁を決めて二塁へ進むと、近本の左翼前の判断が難しい当たりで一気に生還。小幡自身も「覚えてます」と納得のプレーを回顧。田中コーチは「打点1と同じ」と評価する働きだった。期待していた部分が、1軍の舞台で発揮されている。
ただ、一番心配されるのが故障だ。「いい時にどうしてもケガっていう。なかったら今頃もっとやれている」と田中コーチ。今季も5月に左下肢の筋挫傷で離脱。昨季も負傷離脱した期間があった中、体のケアや走り方を見直し、再発防止に努めている。
正遊撃手定着へ「雑なプレーは信頼を失うので、何事にも淡泊にならず、小さなことをコツコツとやりたい」と気合。自らの長所を最大限生かし、レギュラーを確固たるものとする。(デイリースポーツ阪神担当・滋野航太)





