【藤田平氏の眼】どうした?阪神の二遊間 敗戦の中で気になるのは先発落ちの木浪と前半途中交代の中野
「阪神2-5広島」(18日、甲子園球場)
阪神が痛恨の逆転負けを食らった。初回に前川の左前2点適時打で先制したが、二回に先発した村上が打者一巡の猛攻に遭い大量5失点。デイリースポーツ評論家の藤田平氏は「広島打線の粘り」が試合の明暗を分けたと語る一方で、阪神のキーストーンである中野-木浪の二遊間コンビの現状を心配した。
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村上は広島の粘りに根負けした感じだった。二回に浴びた打者一巡攻撃では会沢に9球、二俣に14球を投げた結果、歩かせた。この2つの四球が大量失点につながったと言える。
(2点を追った広島は二回無死一、二塁から菊池の左中間二塁打で同点としたあと会沢が四球。森下の犠打で走者を進めると、二俣も四球を選んで満塁。その後、矢野の左犠飛、末包の左前2点適時打で一気に5点を奪った)
この回、ヒットが5本生まれたが、打線をつないだのはやっぱり四球。今年の広島は“初球に手を出すな”“3-2まで粘れ”とベンチから指示が出ているようだ。打者のタイプにもよるだろうが、それを忠実に守っていることで相手投手を苦しめている。
阪神はせっかく初回に2点を先制したのに、その直後に逆転され、しかも長時間守らされたことで、野手の体は冷え切ってしまったと思う。
前夜(17日)のヤクルトとの延長戦で疲労は残っていたはず。夜は気温も低い。こういうときは気持ちを整えようとしても体が言うことをきかないというか、バットが振れなくなってしまうものだ。それが中盤以降の貧打ぶりに表れていた。
そのヤクルト戦で痛いエラーをした木浪が先発メンバーから外れ、最後まで出場の機会がなかった。野手にエラーはつきものなんだけどね。開幕してまだ16試合。木浪のエラーは2つめ。これで代えられるとなると、選手はこたえるもの。
(17日のヤクルト戦は1点リードの九回二死二塁から木浪の失策で追いつかれたが、最終的には近本の2ランアーチで辛勝)
今年は井上が1試合の出場で2軍へ落ちた。島田や原口も2軍調整となっている。どうしても上げたい選手がいるのなら理解できるが、もう少し見てあげてもいいのではないだろうか。
首脳陣は“まだ先は長い”ということで、多くの選手にいろいろな経験させるという方針のようだが、どうもコロコロ代えているという印象が拭えない。
藤川監督は投手出身なので、野手の育成や起用に関して分からない部分があるかもしれないが、そのあたりは周りのコーチが進言すればいい。
木浪とは別に、もうひとつ気になったのは中野の現状だ。この試合では8番に下げられていた。
今回の打順の降格は打撃の調子だけが理由ではなく、走者を進めたり後ろへつなぐという2番打者としての仕事を果たせていないからだろう。この傾向は昨年から変わっていない。
前半途中でベンチへ退いただけに、なおさら気になる。若い小幡が控えているが、二遊間は内野のカナメのポジション。安定的な起用が求められるんだけどね。
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