【競馬】名馬には個性示す異名 アーモンドアイにふさわしいものは…?

 このご時世もあり、最近はテレビで昔の番組を再編集したものをよく見掛ける。その中で見入ってしまったのが、「TVチャンピオン」(~06年9月=テレビ東京)の再編集ものだ。各分野の達人たちが自慢の腕を披露する番組で、毎週楽しみにしていた。

 当時の記者が最も興味を示したのは“大食い選手権”。昔の名シーンが流れたとき、テレビの前で「懐かしい」と思わず声を発してしまった。“女王・赤坂”こと赤阪尊子さん、“皇帝・岸”の岸義行さん、“超特急・新井”の新井和響さん、“ジャイアント白田”の白田信幸さん、“キング山本”の山本卓弥さん、“魔女・菅原”の菅原初代さん、そして、現在もテレビで活躍しているギャル曽根さん-。個性のある達人たちの食べっぷりに興奮したことを思い出す。

 当人たちは番組に出場するまでは素人であり、誰も知らない存在であったが、ここまで印象深く覚えていたのは、キャラクターを踏まえて付けられた異名にある。記者の中では赤阪尊子さんではなく、女王・赤坂として覚えている。

 番組終了後、しばらくしてふと、昔の名馬には異名があったと気づく。“白い逃亡者”ホワイトフォンテン、“きまぐれジョージ”エリモジョージ、“芦毛の怪物”オグリキャップ、“砂の女王”ホクトベガ、“音速の貴公子”アグネスタキオンなど。競馬を知らない人でも、ざっくりとその馬の個性を知ることができる。これまであまり気にしていなかった、競走馬の異名について考えてみた。

 候補を現役馬に絞るとアーモンドアイになる。先日、行われた安田記念は2着に敗れ、芝G18勝の新記録達成はならなかったものの、現役最強馬であり、これまでの実績は申し分ない。

 まずは平成と令和で活躍したことから、“時代を超えて見せた異次元の強さ”というものが思いついたが、これは異名というよりキャッチコピーに近いか。他ではレース後は牧場で休養し、レース数週間前にトレセンへ帰厩して実戦に臨むという、今、主流となっている競馬のスタイルで最も実績を残した馬ということで、“新スタイルの女王”、もしくは“新スタイルの伝道師”が思いついた。ただこれは、インパクトを欠く上、内容が分かりづらい。ストレートに考えたものでは、“パーフェクト・ウーマン”というのもあった。悪くはないが、平凡過ぎる。う~ん、非常に難しい。

 分かったことは、記者にそのようなセンスがないこと。何だかむなしくなった…。アーモンドアイが引退まであと何戦を消化するか、現時点で未定だが、記者が原稿を書く機会があるようなら、誰もが共感するものとは言わないが、自分が納得できるような異名をつけたいと思う。(デイリースポーツ・小林正明)

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