関西・田中智之、双子の夢は大学で

 「全国高校野球・2回戦、富山商3-1関西」(17日、甲子園)

 涙があふれた。双子の兄・雅之と立った関西(岡山)・田中智之捕手(3年)の甲子園。「バッテリーを組めなかったのが悔しい」。弟・智之は達成感とともに、無念さが胸を締め付けた。

 小学5年から投球を受け続けた。その頃からの夢は同じチームでの甲子園出場。そして「そこでバッテリーを組むこと」だった。

 高校入学後も雅之の球にミットを鳴らし続けた。2年夏の大会前。投球フォームを崩した兄が一時、迷路にはまりこんだことがあった。「野球をやめたい」と、弱音を吐いたこともチームメートから聞かされた。

 復活へ向けて行ったのは18・44メートルでの会話だった。「右打者の内角高めに伸びのある直球が来たら調子がいい。そこに投げさせ続けた」。誰よりもその球筋を、フォームを知る。2人の間に言葉はいらなかった。

 食生活でも支えた。寮では日曜祝日に自炊する決まりがある。「油を少なめにして、鶏のささみを使った親子丼を作った」。体のことを考えてヘルシーメニューを並べた。

 兄は六回から2番手で登板した。だが、智之に出番は巡ってこなかった。

 卒業後は同じ大学に進学し、野球を続ける。「3年間、2人で頑張れた。大学では甲子園で果たせなかった双子のバッテリーを組みたい」。夢は続く。

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