盈進・谷中15K完封!相手も脱帽
「高校野球広島大会・4回戦、盈進2-0広島工大高」(22日、コカ・コーラウエスト)
4回戦8試合が行われ、ベスト8が出そろった。盈進のエース・谷中文哉投手(3年)は、最速144キロの直球を軸に広島工大高打線から15三振を奪い、4安打完封。ネット裏で見守ったスカウト陣も絶賛する好投に加え、打っても決勝打となる2点適時二塁打を放ち、投打に大暴れした。
躍動感あふれるフォームから繰り出す谷中の快速球が、次々とミットに突き刺さった。その速さに広島工大高打線はほとんど対応できず、ぼう然と見送るばかり。さらに決め球のスライダーは鋭く曲がり落ち、ようやく出したバットにことごとく空を切らせた。
四回から七回までは、12のアウトのうち8つを三振で取る圧巻の投球で、毎回の15奪三振、4安打133球の完封劇。谷中は「今日は真っすぐも走ってたし、スライダーも良かった。体力的には、まだまだ投げられましたよ」と涼しい顔で振り返った。
初回に自身の適時二塁打で挙げた2点で、リードは十分。「三振の数は意識しなかったけど、ピンチでは狙った」との言葉通り、得点圏に走者を置いた四回、六回、八回、九回はいずれも三振で締めくくり、付け入る隙を与えなかった。
これで今大会は17回を無失点、31奪三振と驚異的な成績を残す。ネット裏にはロッテ、オリックスなど5球団のスカウトが集結。ロッテの松本編成統括は「バランスがいいし、柔らかさがあって、ウチの唐川に近い。フォームも直すところがないし、体に力を付ければ十分プロでやれる」と高く評価した。
1年秋からエースを務めるが、精神的にムラがあり、突如乱れることもあった。だが春の県大会は、昨秋から続いた腰痛のため登板せず、外野手として出場。「グラウンド全体を見ることで、野手の気持ちを考えられるようになった」と“独り相撲”から卒業し、抜群の安定感を身につけた。
正田靖人監督(38)も「今日は谷中に尽きます。ミスが出ても落ち着いていたし、成長したと思う」と頼れるエースを称賛。かつてコーチとして、同校のOBで現広島の江草を指導した経験を持つが、「身体能力では江草より上」と素質に太鼓判を押した。
それでも谷中の頭には、目の前の試合しかない。「先のことは何も決めていない。甲子園には絶対に盈進が行きます」ときっぱり。38年ぶりの甲子園を目指し、快腕はますますうなりを上げる。
