谷中、熱投164球完封!盈進決勝へ

 「高校野球広島大会・準決勝、盈進3‐0新庄」(25日、マツダ)

 最後の打者を左飛に打ち取った瞬間、盈進のエース右腕、谷中文哉(3年)は大きく息をついて軽くグラブをたたいた。しゃく熱のマウンドで投げ抜いた164球。「今日は粘りの投球でした」と流れる汗をぬぐった。

 初回から八回まですべて得点圏に走者を背負いながら、勝負どころで快速球がさえた。最大のピンチは七回。2死満塁で、打席に2安打されていた新庄のエース・田口(2年)を迎えた。すでに130球を超えていたが、初球、2球目と144キロの直球で押すと、最後は一ゴロに封じた。

 前日に138球を投げ完投しており、この日は昨秋に痛めた腰に疲れが残っていた。また、過酷な暑さの影響で、体重は5キロ減の70キロになるなど、疲労は確実に蓄積。直球は最速145キロをマークしたが、制球に苦しみ、自身でも「初めてです」という10四死球を与えるなど、緊張の糸は切れる寸前だった。

 だが、マウンド上で表情を変えることは、一切なかった。大会直前、正田靖人監督(38)から、感情を表に出さないよう指導された。「以前はイライラすると、すぐ表情に出て、チームを動揺させていた。エースとして、それじゃダメだと思いました」と谷中。大黒柱の自覚が、接戦で生きた。

 38年ぶりの夏舞台まで、ついにあと1戦。「自分たちが、新しい歴史をつくりたいという思いはある」と意気込みは強い。古豪・盈進の完全復活を成し遂げるべく、谷中が必勝の覚悟で決勝に挑む。

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