【ボート、競輪】事故発生時の判定や説明責任で競技ごとに感じる差
「ボートレース、競輪記者コラム仕事 賭け事 独り言」
ボートレースで、レース直後に始まる展示航走。最終的な仕上がりを確認できる、最重要情報なのは間違いない。ただ、レース確定から展示が始まる流れが慌ただしく感じるのも事実。もう少し時間的な余裕があってもいいと思うのだが。
そう感じるようになったのは、レースで避けられない事故や不利が起こった時の対応に、競技ごとで大きな差があるからだ。この点では、競輪が最も素晴らしい。疑わしい事象があれば時間を取って審議を行い、違反行為があれば失格判定を下して着順変更も行う。そして、その判定の根拠となる映像を公開している。個々の事象によっては物議を醸すものもあるが、姿勢そのものはファンに最も寄り添っていると言えるだろう。
競馬はどうか。2013年のルール改定により審議や着順変更はほとんどなくなり、最近でも問題になったレースがあった。この変更自体はファンの意向には全く寄り添っておらず、個人的にも改訂前のモノに戻した方がいいと思っている。とはいえ、説明責任という点では競輪と同等か、それ以上だ。パトロールVTRをホームページでいつでも閲覧できるようにしており、何かの事象があればそこも細かく説明している。
残念だが、ボートはこの点では大きく劣ると言わざるを得ない。しっかり説明するのはスタート事故だけ。妨害や不良航法などは次レース発走直前に軽く触れるだけで、パトロールVTRのようなものは全くない。着順はゴール到達順で問答無用に確定。そして有無を言わさず、次レースの展示航走が始まるというわけだ。
明確な説明が必要なケースを一つ。転覆や落水などが起きると、次周のその地点で着順が確定する。その際の順位付けを、選手が間違えてしまうことがたまにある。内外で離れての並走だったり、または事故地点がターンマーク付近か直線かでも判断が難しくなる。この時でも着順はゴール到達順で確定。その裏で間違えた選手は即日帰郷や賞典除外などの処分を受けている。こんな場合は時間を取って審議して、降着などの措置をしてもいいはず。審議と言っても、確定までは数分も要さないだろう。
特に競輪の現場に出ることが増えた最近は事故に対する向き合い方に大きな差を感じる。ボートも展示航走の時間を少しずらしてでも審議したり、判定根拠を示す映像を公開したりしてもいいのではないか。付け加えれば、展示航走の後、エンジンはレース本番まで放置状態。時間が空けば空くほど「展示と本番で足が違う」状態になるリスクは増す。(関東ボート、競輪担当・浅野将之)
