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【ボート】レースでは「音」を感じて欲しい

 「ボート記者コラム・仕事 賭け事 独り言」

 世界のみならず、日本全国に押し寄せた新型コロナウイルスの猛威。ボート界は2月末から感染防止対策のため、全国各地で無観客レースを実施。ボート場を含め、場外発売場は全て休業となったが、スマートフォンやネットでの電投が実を結び、多くのレースで想定を大幅に超える売上額が計上された。

 画面越しに繰り広げられるレースに一喜一憂し、気軽に舟券を購入できる電投のシステムは、ファン拡大の最大の利点でもある。公営競技として売り上げが増加し、ボート界の人気も盛り上がることは、業界に携わる人間としては実に喜ばしい出来事だ。けれども、記者の心情としては、ボート場で直接感じるレースのだいご味をもっと知ってもらえれば…、と願わずにはいられない。

 全国に緊急事態宣言が発令されていた4月。観客が1人もいない尼崎ボートのスタンドで、レースを眺める機会があった。そこで聞こえてくるのは、直列2気筒のエンジンが奏でる迫力満点のサウンド。コーナーで回転を上げ、うなりを上げるピストンの鼓動に、引き波を貫くボートの疾走感。迫力のレースと野太いエンジン音が場内にシンクロして、記者のハートは大いに沸き立った。

 普段のレースなら、ヤジを含む、熱烈な声援がスタンドに共鳴して場内は盛り上がるが、改めてボート本来のサウンドを耳にすると、レースの引き立て役となる「音」の存在はとても重要ではないか?という意識が強まった。

 同じくエンジンを使用する自動車やバイクのレースでも、サーキットを走破するエンジン音が激戦のスパイスとなる。公営競技でも、競輪ではバンクを切り裂く、銀輪の超絶な回転音。競馬では、大地を揺るがす、ターフを疾走する馬群のざわめきや、ムチをしならせ気合を注入するジョッキーの息吹が、ファンのアドレナリンを猛烈に刺激する。さすがにこの「音」の臨場感は映像だけでは味わえない、現場だけのとっておきの楽しみだ。

 ボート場ではしばらく「音」を満喫するチャンスが遠のいていたが、5月21日に、大村の一般戦から営業を再開。制限付きながら本場に観客が戻り、全国のボート場でも続々とその動きが広まった。

 G2以上の本場開催は無観客開催レースが継続されていたが、7月28日から大村で開催される「G2・モーターボート誕生祭」でファンの入場が待望の解禁。場内の滞留人数が1000人を超えると、入場規制が行われる場合もあるが万全の感染予防対策を実施した上で、いよいよグレードレースでも臨場感を満喫する機会が復活となる。

 一般戦のレースも面白いが、やはりトップレーサーが雌雄を決するハイレベルな戦いでは、なおさらコーナーでの「音」による勝負は聞き応えがある。そこで自分が応援する選手が活躍して、舟券が的中すれば、さらに喜びも増幅するはずだ。

 最近はコロナ感染が再び拡大傾向にあり、30日から開催のG1・びわこ大賞(びわこ)は無観客レース。全面解禁まではもう少し時間がかかりそうだが、マスクや手洗いなどしっかり対策を施して、みんなで気持ち良く「音」に触れながらレースを楽しみたい。(関西ボート担当・保田叔久)

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