【競輪】三宅伸氏が地元の玉野で引退セレモニー「しばらくはのんびりしたい」
17日に公表し、24日に引退した三宅伸氏(53)=岡山・64期=が30日、地元の玉野競輪で行われた引退セレモニーに参加した。
セレモニー冒頭から涙を流した三宅氏は「裏ではもっと泣いとった」と照れ隠し。「ファンのみなさまの後押しでここまでやってこれました」とずっと応援してくれたファンに感謝。「苦渋の決断でしたけど、今後の人生につなげていきたいです」と引退したことに悔いはないようだ。
思い出のレースを問われると「神山(雄一郎)さんと村上(義弘)君みたいにたくさんG1を獲っていないのでね」と、唯一のG1で優勝した2008年12月の全日本選抜(西武園)を挙げた。「優勝してから実感が湧くまで何日もかかりました」と当時の状況を明かした。
セレモニーには師匠の越智清治氏、08年の全日本選抜決勝で連係した石丸寛之も参加。越智氏は「誇りに思います。満点の弟子です」と言うと、石丸は「伸さんの大きい背中を追いかけて追いかけてきたが、追い越せなかった。最後にもう1度、ワンツーをしたかった」と雨中の西武園での激走を思い起こしていた。
サプライズで同期の有坂直樹氏が登場。「関係者から似た人を岡山駅で見たって言われた」と笑う三宅氏に、有坂氏は「学校(日本競輪学校=現・日本競輪選手養成所)から何をやっても追いつけなかった。でも、三宅君がいたおかげでタイトルを獲れました」とコメント。「いきなりの引退でびっくりした」と正直な感想も述べていた。
セレモニー最後に三宅氏は「岡山支部の選手は先行きが明るいです。若手が強くなってきて、つられてベテランも頑張っています。士気が高まって、成績はみんな上がっています。これからの玉野競輪もよろしくお願いします」と締めくくった。
その後の囲み取材で三宅氏は「しばらくはのんびりしたい。もうレースをしなくていいと思うと、かなり楽になった。ジムなどで体を動かしているけど、競輪からいったん離れたい。でも、まだ車券を買ったことがないので、早いうちに買ってみたい」と今後について語った。