【根岸S】スリーグランド 奥深い母系が掘り起こす砂のパワー
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「根岸S・G3」(30日、東京)
スリーグランド-。まずは馬名がいい。永井商事といえば、冠名+父名…という感じのシンプルな馬名が多いイメージだが、同馬は“冠名+生産牧場名より”。歴史深いグランド牧場に対するリスペクトが感じられる。
母系はかなり深い。掘り起こすと、小岩井農場の基礎輸入牝馬であるプロポンチスまでたどり着く。この貴重な血をグランド牧場が大事に繋いできた。
母プリモタイムはわずか1勝に終わったものの、半妹のタイニーダンサーは交流重賞で3勝を挙げる活躍を見せた。母系に宿るアサティスのパワーが産駒へしっかりと受け継がれ、5番子のヒガシウィルウィン(父サウスヴィグラス)は17年ジャパンダートダービーを優勝し、同年のNARグランプリ年度代表馬&3歳最優秀牡馬に輝いた。
8番子の同馬は、今をときめくシニスターミニスター産駒。テーオーケインズやドライスタウトのG1制覇は記憶に新しく、ヤマニンアンプリメやキングズガードらの活躍を見ても、ダート7Fへの適性は非常に高い。
奥深さのある母系の血が開花するのはこれから。昨年の交流G3・黒船賞2着を上回る走りで、まずは待望のタイトル奪取といきたい。(デイリースポーツ・松浦孝司)