広島・二俣 初スタメンでプロ1号 敵地・神宮で強烈インパクト 球団高卒育成出身選手初アーチ

 2回、左越えにソロを放った二俣(撮影・園田高夫)
 2回、ソロを放ちナインに祝福され笑顔を見せる二俣
 プロ初アーチの二俣(左)を祝福する新井監督
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 「ヤクルト9-8広島」(25日、神宮球場)

 プロ初スタメンで起用された高卒4年目の広島・二俣翔一内野手(21)がプロ初アーチを放った。球団高卒育成出身選手では初となる本塁打。「7番・左翼」で名を連ね、二回にヤクルト・高橋奎のカーブを完璧に捉え、左翼席に運んだ。チームは手痛いサヨナラ負けを喫し、連勝も4でストップしたが、新井貴浩監督(47)は「自分もうれしい」と若鯉の活躍に目を細めた。

 鋭く振り抜いた打球が赤く染まった左翼スタンドに突き刺さった。ダイヤモンドを一周しベンチに戻ると、総出で出迎えたチームメートにヘルメットをたたかれ、笑みがこぼれる。「7番・左翼」で先発出場した二俣が敵地・神宮で強烈なインパクトを残した。

 「ボール自体は見えていた。カーブだったが、しっかり反応で打てたホームランでした」

 二回だ。2死走者なしで高橋奎と対峙(たいじ)。カウント1-1からの内に入ったカーブにうまくバットを合わせた。「今までだったら手を出していなかったんですけど、目付けを高めにしていた分、すんなりバットが出た」と分析。左翼・サンタナが2、3歩足を動かしただけで、打球を見送るほど完璧な一撃だった。

 プロ初本塁打は、チームにとっても高卒育成出身選手では初アーチというメモリアルな一発だった。20年度の育成ドラフト1位で磐田東から入団。22年のオフに支配下登録され、今季がプロ4年目。19日・巨人戦(マツダ)では代打でプロ初安打をマークしていた。

 この日がプロ初スタメンだった。24日の練習中に伝えられたといい、試合前は「めっちゃ緊張しました」と苦笑い。登録は内野手だが、出場機会を増やすため、昨季から外野にも挑戦。「今はチームに貢献できるプレーをするためにどこでもやる。ポジションは関係なくやってやろうという思いでした」と準備はできていた。

 オフには巨人・岡本和に弟子入り。直接指導の機会はなかったが、打席内での考え方などの助言を受けた。「小さい動きですけど、左足のかかとや、右肘でタイミングを取っています」。球界を代表する大砲の教えを存分に生かしている。

 スタメンで起用した指揮官も若鯉の成長に目を細めた。「ナイスバッティングだった。成長を感じるホームラン。彼もうれしいと思うけど、自分もうれしい」と表情を緩めた。

 試合後は新井監督と肩を組んで記念撮影。しかし、二俣の表情は晴れなかった。「自分のバットでなんとか(したかった)。得点につながる打席を増やせるようにしたい」。手痛い敗戦の中で、背番号99が確かな爪痕を残した。

 ◇二俣 翔一(ふたまた・しょういち)2002年10月21日生まれ、21歳。静岡県出身。180センチ、74キロ。右投げ右打ち。内野手。磐田東から20年度育成選手ドラフト1位で広島入団。22年オフに支配下登録。昨季はウエスタン・リーグ最多の94安打を放った。打撃の成長が著しい高卒4年目。プロ初出場は24年4月4日・ヤクルト戦(マツダ)で代打。

 ◆球団高卒育成出身初アーチ 二俣は育成出身の高卒4年目。球団の歴代高卒育成出身選手では二俣が初本塁打となった。高卒に限らなければ18年度育成ドラフト1位・大盛穂(静岡産業大)がプロ2年目の20年10月3日・ヤクルト戦で初アーチ。移籍組では11年度育成ドラフト4位・三家和真(市和歌山)がロッテ移籍後の19年7月21日・日本ハム戦でプロ初本塁打。

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