【秋華賞】デアリングタクト、無敗牝馬三冠へ完璧リハ 松山「何とかいい結果を」

 「秋華賞・G1」(18日、京都)

 史上初となる無敗牝馬三冠の快挙に挑むデアリングタクトが14日、主戦の松山を背に栗東坂路で最終追い切り。予定通りの単走で軽めだったが、力強いフットワークで万全の仕上がりをアピールした。大一番へオークスから直行のぶっつけで臨むが、18年アーモンドアイ、19年クロノジェネシスと2年連続で直行ローテ組が連勝中。ライバルたちの包囲網を突破して、堂々と無傷の5連勝で競馬史に名を刻む。

 迫力満点だ。デアリングタクトは主戦の松山を背に栗東坂路に登場。単走で馬なりながら、大きなフットワークでグイグイと登坂する。4F54秒7-39秒4-12秒7をマークしたが、時計以上に動き・気配とも申し分ないもの。感触を確かめ、表情にも自信がみなぎる。「今週が競馬なので、負荷をかけ過ぎないように。リラックスしていたし、非常にいい追い切りができました」と歯切れが良かった。

 鞍上は4週連続で追い切りにまたがり、与えられたメニューに対して、忠実に狂いのない時計を出してきた。1週前の7日には栗東CWで、6F80秒5-12秒1の自己ベストを記録。無敗で駆け抜けた春シーズンと同様に、直前は坂路でややソフトな内容と“必勝パターン”を踏襲し、理想に近い仕上がりだ。

 松山は「馬体重が増えているし、パワーアップしています」とフィジカル面の成長を感じながらも、メンタル面の進化をより強調する。「返し馬を見てもらえれば分かるのですが、春は結構イレ込むところがありました。夏を越して力みが抜けているので、いい方に出てくれればいいですね」。特に桜花賞の返し馬では制御が難しい状態になり、不安を抱えながらレースに臨んだ。唯一の弱点だったテンションの高さが解消されたなら、まさしく鬼に金棒と言っていいだろう。

 あとは史上初の無敗牝馬三冠達成の瞬間を待つだけ。「自分にとって(デアリングタクトは)すごい特別な存在。非常に注目されているし、何とかいい結果を出したい」。もう迷いや気負いはない。自慢の鬼脚を引き出して、金字塔を打ち立てる。

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