２歳新馬戦が前週末、札幌、新潟、小倉の３競馬場で計７レース行われ、３０日の新潟５Ｒ・芝２０００ｍでは、２番人気のブラックラテ（牡、父ブラックタイド、栗東・梅田）が快勝。同日の小倉１Ｒの未勝利戦（芝２０００ｍ）ではモーリス産駒のテンバガー（牡、栗東・藤岡）が２走目で勝ち上がった。

　デルマジゾウの競走除外により、１７頭立て行われたメイクデビューを制したのは、２番人気のブラックラテ。序盤は後方の位置取りだったが、３コーナー手前で外からポジションを押し上げ、４コーナーでは早くも先団を射程圏に。直線で外に持ち出すと鞍上・岩田康の激しいアクションに応えて、馬場の真ん中から一気に突き抜けた。勝ちタイムは２分６秒０。２馬身差の２着は４番人気のパープルレディー、さらに首差の３着には５番人気のヒシシュシュが入った。なお、オークス馬シンハライトを母に持つ１番人気のセブンサミットはゴール前で差を詰めたが、さらに鼻差の４着に敗れた。岩田康は「長くいい脚を使ってくれた」と会心の笑み。梅田師は「先週除外され、その分乗り込んだのが良かったのかな。距離は延びれば延びるほどいい。来年が楽しみ」と、クラシックを見据えた。（レース評価Ｂ、将来性★★★）

　先週の新馬戦勝ち馬評価一覧

アナザーリリック（牝、父リオンディーズ、美浦・林）

　土曜新潟６Ｒ・芝１６００ｍ、津村「初戦としてはすごく競馬が上手だった。反応は少し遅かったけど、これから良くなるはず。いい馬です」、林師「追い切りから乗ってくれて、癖をつかんでくれていたので、ジョッキーがこの馬の良さを引き出してくれました」。（Ｂ、★★★）

コートダルジャン（牝、父ハーツクライ、栗東・牧田）

　土曜小倉５Ｒ・芝２０００ｍ、北村友「気性もですが、競馬に行ってすごくゆったりしていて、２０００ｍという距離も良かったです。促すとすぐ前に取りついてくれましたし、４コーナーから直線に向く時の雰囲気もとても良く、センスのいい馬です」（Ｂ、★★★）

モメントグスタール（牡、父ハービンジャー、美浦・高木）

　土曜新潟５Ｒ・芝１６００ｍ、菅原明「ゲートも速くて気持ちが前向きだし、新馬向きだと思っていた。折り合いも良く、いい反応でしっかり脚を使ってくれた」、高木師「気持ちが乗りやすいのがどうかと思ったけど、操縦はしやすい馬。次は馬の様子を見てから」（Ｂ、★★）

ピクトルテソーロ（牡、父シンボリクリスエス、美浦・田中博）

　土曜札幌５Ｒ・ダート１７００ｍ、大野「完成度が低い状態での競馬。センスで勝ってくれた。いいフットワークをしているし、競馬を覚えてしっかりすれば。フワフワしていたりと伸びしろもあるので、成長が楽しみ」（Ｃ、★★）

アールラプチャー（牝、父ミッキーアイル、栗東・千田）

　日曜小倉５Ｒ・芝１２００ｍ、太宰「スタートから速かったですね。行きっぷりが良く、レースセンスもいいです。これからも楽しみ」、千田師「追い切りの時からスピードを見せていましたし、外枠でもまれずに競馬ができましたね」（Ｂ、★★）

ヴェローチェオロ（牡、父ゴールドシップ、栗東・須貝）

　日曜札幌５Ｒ・芝１８００ｍ、吉田隼「血統ですかね。体はないけど、ノメるところがなかった。手応え通り、いい内容で勝てた」、須貝師「連闘になるけど、状態を見て札幌２歳Ｓ（９月５日・札幌、芝１８００ｍ）も考えたい」（Ｃ、★★）

　先週の主な未勝利勝ち馬

テンバガー（牡、父モーリス、栗東・藤岡）

　日曜小倉１Ｒ・芝２０００ｍ、川田「ゲートの体勢は良くなかったけど、うまく出てくれました。そのあとは馬場のいいところを選びながら走りました。精神的にも肉体的にもまだ幼いので、これからの成長が楽しみですね」（Ｂ、★★★★）

ミニーアイル（牝、父ミッキーアイル、栗東・武幸）

　土曜小倉２Ｒ・（芝１２００ｍ）、秋山真「デビュー前から動いていた馬。初戦はゲートを出なかったけど、きょうはその時よりは出てくれました。これからまだまだ上積みがありそうだし、距離も千四までなら大丈夫です」（Ｂ、★★★）

（レースはＳ、Ａ、Ｂ、Ｃ、Ｄ、将来性は☆による５段階評価）