【競馬】増えるJRA女性騎手候補生 “第一人者”菜七子も対決心待ち

 競馬界の明るい話題に爽やかな気分になった。7日、JRA競馬学校・騎手課程39期生の入学式が行われ、大江原比呂さん、河原田菜々さん、小林美駒さんの女子3人を含む8人が、新たに門をくぐった。女子3人の入学は花の12期生(田村真来、細江純子、牧原由貴子)以来27年ぶりで史上最多タイとなる。

 大江原比呂さんは、騎手時代にJRA194勝を挙げた大江原哲調教師(67)=美浦=の孫で、父の勝さんは藤沢和雄厩舎の調教助手を務めている。幼い頃から競馬に慣れ親しんだ環境で育ったが、「藤田菜七子騎手が努力して、男性の中で活躍する姿が格好良かった」と騎手の道を志した。

 17年に入学し、現在デビューを目指して日々精進している古川奈穂さんも、“憧れの先輩”の活躍が人生を変えた。「藤田菜七子騎手の活躍を知り“女性でもなれるんだ”と思いました」と、一度は高校に進学しながらも中退してジョッキーを目指したという。

 我々マスコミは、女子が競馬学校に入学しただけで大きく取り上げてしまうが、「競馬学校に入ったからといって、簡単に騎手になれるわけではない。そんなに甘くないですよ」とは根本康広調教師(64)=美浦。JRAでは16年ぶり通算7人目の生え抜き女性ジョッキーだった藤田菜七子騎手をプロデュースし、一人前に育て上げた師匠は、その道のりの険しさを口にした。

 「騎手になるのは本当に大変なんです。普通に乗馬をこなせればいいというわけではない。お客さんに大切なお金を預けてもらうわけですから。過酷なトレーニングを積み、それに耐え抜いた者だけがようやくデビューできるのです」

 前述の古川さんをはじめ、同じく在校中の永島まなみさん、今村聖奈さん、そして今年入学した3人。さらにはJRAでの通年免許取得を希望しているミカエル・ミシェル騎手(24)=フランス=が、菜七子と同じステージに立つことを目指して奮闘中。今や、女性騎手の第1人者となった菜七子も、「私自身、負けられない気持ちです。一緒に乗れる日が早く来るといいですね」と対決を心待ちにしている。

 全員が夢をかなえ、そして全員が同じレースに騎乗する日が来たら-。そのときは、一面級に大きく取り上げることになるだろう。そんな日を心待ちにしたい。(デイリースポーツ・刀根善郎)

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