赤木高太郎さん、ジョッキーからバーのマスターへ華麗なる転身

 元騎手の赤木高太郎さん(49)は、昨年8月から京都の祇園でバーを経営している。南座の近くにあり、店名はJockeyのBar「BACCANO(バッカーノ)」。イタリア語でバカ騒ぎの意味だ。「眉間にシワを寄せて生きるのが嫌なので。楽しく生きようという意味を込めて」と笑みを浮かべた。

 87年に園田競馬でデビュー。第一線で活躍後、JRAの騎手試験を受けて合格。04年に騎手免許を所得した。G1は獲れなかったが、08年プロキオンS・G3でJRA重賞を制覇。11年に騎手を引退後は、一流調教師として名高い橋口弘次郎厩舎などで調教助手を務めたが、「調教師を目指したけど、騎手とやることが全然違う。橋口先生の姿を見ていると、自分では荷が重いかなと」と別の道を歩むことにした。

 もともと飲食店に興味はあった。「コミュニケーションを取るのは下手だけど、人としゃべるのが楽しいし、競馬ファンや関係者とワイワイできたらいいな」と開業を決意。「どうせやるなら競争の激しいところで」と知り合いの馬主の紹介で場所を見つけた。もうすぐ1年がたつが、関係者をはじめ、多くのファンが訪れている。「いろんな人が来てくれます。楽しいことだけですね。ファンの人と競馬の話で盛り上がることもありますよ」。すっかり水が合った様子だ。

 騎手時代の反省も生きている。「馬に乗って、結果さえ出せばいいと思っていました」。ただ、それだけでは成績は上がってこなかった。「どのプロの世界も同じだと思いますが、努力するのはスタートライン。それから結果を出して、アピールしていかないと。騎乗馬の依頼を増やすのと一緒ですね。気づくのが遅かったです」と話した。

 「お客さんがたくさん来て、もっと喜んで帰ってもらえるような店にしたいですね。プロとしてアピールをしながら、店の価値を高めていきたい」。競馬の世界で激戦を繰り広げた男は、夜の世界で“G1”制覇を目指す。(デイリースポーツ・中江 寿)

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