【POG】3歳馬重賞総括 ミヤマザクラ、ダーリントンホールが重賞初V 

 15日に東京競馬場で行われたデイリー杯クイーンカップ・G3は、2番人気のディープインパクト産駒ミヤマザクラ(栗東・藤原英)がV。16日は同じく東京で行われた共同通信杯・G3は、ルメール騎乗の3番人気ダーリントンホール(美浦・木村)が勝利した。ともに重賞初制覇となった。

 「第55回デイリー杯クイーンC・G3」(芝1600m)は15日、東京11Rに14頭で争われ、2番人気のミヤマザクラが1分34秒0のタイムで重賞初Vを決めた。1番人気ルナシオンがいきなり出遅れる波乱のスタート。大外枠から好ダッシュで飛び出した10番人気インザムービー(14着)が後続を10馬身以上引き離して大逃げに出るなか、2番手を追走。直線に入って残り200m付近で先頭に立つと、ラストまで力強いフットワークで追い込んだ4番人気マジックキャッスル(2着)を首差封じた。2着から3/4馬身差の3着は12番人気の伏兵セイウンヴィーナス。ルナシオンは直線に入っても全く伸びず10着。2連勝中だった3番人気のホウオウピースフルも6着に敗れた。

 本番の桜花賞へ向けて大きな白星をつかんだが、初コンビの福永は「不本意な騎乗になってしまった」と笑顔はなし。初めて経験するマイル戦で、本番へ向けて課題をクリアしたい思いがあった。「ためて脚を測りたかった。思った以上にスタートを出てくれて、いい位置が取れてしまった。粘り込む競馬になってしまい、馬に負担をかけてしまいました」と反省しきりだった。

 「牝馬同士なら力があるかなと思っていたし、それを証明できて良かった」と、藤原英師は重賞Vの結果にはホッとした表情。しかし、レース内容に関しては決して満足してはいない。未勝利戦は札幌でレコード勝ち。京都2歳Sは牡馬トップクラスのマイラプソディの2着。G1を獲れる器だと見込んでいるからこそ、指揮官の評価も自然と辛口になる。「だんだんと成長曲線がきれいに乗ってきた。桜花賞へ向けての課題? 福永やな。ともに成長してくれれば、より大きなものが手に入る。これ、書いといてな」とニヤリ。この経験を糧にG1の舞台でどんなレースを見せるか、人馬ともに注目だ。(採点・★★★★☆)

 春のクラシックにつながる重要な一戦「第54回共同通信杯・G3」(芝1800m)は16日、東京11Rに9頭で争われ、ルメール騎乗の3番人気ダーリントンホールが重賞初制覇を飾った。レースは内から4番人気ビターエンダー(2着)がハナへ。競りかける相手もおらず、序盤は全馬折り合いに専念。勝ったダーリントンホールは、道中6番手を追走。ペースが遅いとみるや、鞍上のルメールは3角過ぎに進出を開始させ、直線を迎えると逃げ馬の内に馬体を合わせての追い比べ。最後は粘るライバルを鼻差抑えて、先頭でゴールを駆け抜けた。勝ちタイムは1分49秒6。さらに4馬身差の3着は2番人気フィリオアレグロ。無傷の3連勝中だった1番人気マイラプソディは、直線で伸びを欠き4着に終わった。

 初コンビで勝利に導いたルメールは「パワーがあるけど掛かる馬。リラックスして走らせることを大事にしていきました。彼のいいところである長くいい脚を使えたね」と満足げ。ゴール後にはミナリクと馬上でタッチをかわし、お互いの健闘をたたえあった。

 先週の東京新聞杯(プリモシーン)に続き、2週連続の重賞Vとなった木村師は「しびれました。本当に良かった」と興奮気味に振り返る。昨年7月の新馬戦を勝ったあと、なかなか体調が整わず2連敗。「これで駄目ならと思ってやってきた」と、背水の陣で臨んだ一戦だっただけに勝利の喜びもひとしおだ。「これで賞金面でも余裕を持っていけるし、オーナーの意見を受けながら、最終的には2400mを使いたい」ときっぱり。最大目標の日本ダービー(5月31日・東京、芝2400m)へ、進化を遂げた大器がさらに躍進する。(採点・★★★☆☆)

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