【毎日王冠】アエロリット坂路一番時計! 新コンビ・モレイラ「スペシャルな馬」

 「毎日王冠・G2」(7日、東京)

 秋の始動戦から全力投球だ。春は落鉄の不運もあって、思い通りの結果を残せなかったアエロリットだが、3日、美浦坂路での最終リハでは文句なしの動きを披露。結果次第では、米国遠征も視野に入る実力牝馬。名手・モレイラとの新コンビで、いきなり存在感を示す。

 モニターに映し出された4F50秒5の時計に、記者室にいた報道陣がどよめいた。しかし、アエロリットの潜在能力からすれば、当たり前なのかもしれない。自ら手綱を握った菊沢師は「うちの未勝利馬でも(4F)53秒を出してるんだよ。時計が出やすいんじゃないの」と豪快に笑い飛ばしたが、この日の坂路一番時計だったことが、その“すごさ”を証明した。

 気合十分のストライドで緩いコーナーを進んで行くと、待ち構えるのは急勾配の直線。馬なりながら、一気に駆け上がるフォームにブレはなく、余裕残しで登坂を完了した。一番苦しいラスト2Fを24秒3-12秒1で通過しながら、息苦しい姿は一切見せない。状態面は文句なしだ。

 春はヴィクトリアマイル(4着)、安田記念(2着)と連続して落鉄する不運。不本意な競馬が続いた。ところが、そんな過去のことはどこ吹く風。ひと夏越してさらなる成長を見せている。トレーナーは「もともとパワーがあるけど、もう調教するのが大変だよ。最終追いでもメンコを外しているし、気持ち的にも十分」と愛馬の成長を喜びつつ、「今回は蹄鉄の固定方法を少し変える」ときっぱり。万全を期して送り出す構えだ。

 世界挑戦か国内専念か-。この一戦は重要な分岐点となる。「今回の結果と馬の様子次第で、マイルCS(11月18日・京都)かブリーダーズCマイル・米G1(11月3日・チャーチルダウンズ)へ向かうかを決める」と明言。コンビを組むモレイラが「能力があるスペシャルな馬」と期待を寄せる実力牝馬。前哨戦でその強さを発揮し、世界をにらむ。

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