「全日本王座決定戦・Ｇ１」（２９日、からつ）

　前本泰和（４５）＝広島・７０期・Ａ１＝が４コースからまくり差して快勝。Ｇ１は１３年１１月宮島周年以来、通算４回目の優勝を飾った。２着は坪井康晴（静岡）、３着は羽野直也（福岡）が入り、３連単は４万５６９０円の大波乱となった。

　「かなりチャンスがあるな」。波乱となった進入で前本の闘争心にスイッチが入った。ピット離れで１号艇の武富が遅れ、２号艇の新田がインを強奪。すかさず３号艇の深川が２コースに入り、並びは２３１・４５６。３コースからまくった武富にイン新田が抵抗。「こんなにハマるとは思わなかった」と大きく開いた“Ｖロード”を鮮やかなターンで突き抜けた。

　「ペラ調整で展示から感じがいいと思ってました」と仕上がりは抜群。「これ以上ない展開でした」と会心のレースに上機嫌だった。昨年は１６優出６Ｖの活躍で年末のＳＧ・グランプリ初出場を果たしたが「選手になったからには、もう一回行きたい」と今年も年末の大一番出場を見据える広島の技巧派に今後も目が離せない。