【チャレンジC】サトノクロニクルが重賞初制覇 デムーロ兄弟 壮絶なたたき合い

 「チャレンジC・G3」(2日、阪神)

 先に抜け出したサトノクロニクルの外からデニムアンドルビーが迫る。抜かせない、と意地を見せる兄・ミルコ。大きく体を動かして迫る弟・クリスチャン。ラスト200メートルから長く続いた息詰まるデッドヒートは、兄が威厳を示す形でエンディングを迎えた。

 首差の激闘を制したM・デムーロは「危なかったですが、いい“(兄弟)ケンカ”でした」とインタビューに答え、とびっきりの笑顔を見せた。しっかりとパートナーの能力を引き出した騎乗ぶりを、池江師は「完璧に乗ってくれました。開幕週だとこういう競馬がベストというところを見せてくれましたね」と手腕をたたえる。

 「距離は少し短いと思いましたが、本当によく頑張ってくれました。とてもいい馬です」。JRA・G1連続3着以内の記録はジャパンC(サトノクラウン10着)で途切れたが、ミルコのプレーは依然、さえ渡っている。

 JRA重賞初制覇を果たしたクロニクルの今後について「馬の状態を見ながらになりますが、有馬記念という選択肢を残しながらオーナーと相談していきたいと思います」と指揮官は答えた。不良馬場の菊花賞10着から、良馬場で即座に反撃。出走に踏み切れば、暮れの大一番でも軽視できない存在となりそうだ。

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