【プロキオンS】アルヴィス好気配
「プロキオンS・G3」(12日、中京)
前走の欅Sを完勝したレッドアルヴィスは8日、栗東坂路で軽快な動きを披露。リズミカルな脚さばきで登坂し、好気配を漂わせた。3カ月ぶりの実戦となるワイドバッハは同坂路で上がり重点。リフレッシュ効果で落ち着き十分。こちらも好ムードだ。
ホッコータルマエを頂点とするダート戦線は、経験がモノを言う世界。何度も壁にぶつかりながら、一歩一歩階段を上っていく、というのがスタンダードと言っていい。レッドアルヴィスは3歳だった昨年6月にユニコーンSを制覇。一度は世代トップに躍り出たが、その後は一進一退を繰り返すことになる。
2走前のフェブラリーSでは14着と打ちのめされた。だが、本当の勝負はここから。砂の猛者たちと厳しい流れの中でバトルを繰り広げた経験をどう生かすか。敗戦を糧に、答えを導き出さなければならない立ち位置だった前走の欅Sを完勝。反骨心も芽生えたようだ。
最終追い切りでは栗東坂路を抑え気味に登坂。気持ちを高ぶらせないように配慮しながら、4F54秒0-39秒2-12秒6を計時した。「先週しっかりとやっているので、54秒ぐらいを予定していました。想定していた通りでしたね。順調に来ていますし、いい追い切りができました」。しっかりと抑えを利かせた内容を確認した安田師は、こう話してうなずいた。脚さばきはリズミカル。いい意味での余裕も感じた。
「ゲートが安定してきたのはいい傾向ですね。それに、左回りの1400メートルという条件はピッタリ。何とかここで賞金を加算して大きいところに出て行きたい。そう思っています」。G1への足掛かりにしたい、と指揮官は勝負の秋をにらむ。頂上決戦のチャンピオンズC(12月6日・中京)は5カ月後。見据えた舞台から視線をそらすわけにはいかない。