「マイラーズＣ・Ｇ２」（２６日、京都）

　成長力に富む５歳の良血馬が、春のマイル王決定戦へ弾みをつけた。８番人気の評価に反発し、レッドアリオンが重賞を初制覇。通算１０度目の挑戦で初のタイトルを獲得した。

　最大の課題は発馬だった。全神経を集中させて好スタートを決めた鞍上は、好位でジッと我慢。うまく折り合うと、逃げ粘る２着馬をゴール寸前でかわした。「スタッフが（ゲートの）練習をしてくれていたので。正攻法の競馬で押し切ってくれました」と川須は納得の笑みを浮かべた。

　１８年連続の重賞Ｖとなった橋口弘師もホッとした表情だ。「鮮やかだったね。スタートを決めて“ヨシヨシ”と思っていたんだ」。異父兄のクラレントは重賞６勝で、全兄のリディルは同２勝。弟にもタイトルを獲らせたかった。「力がありながら、ありつけなかったから。大威張りで大きいところに向かえる」と安田記念（６月７日・東京）を見据えた。

　川須にとっては思い入れのある一頭だ。デビュー４年目で挑んだ一昨年のＮＨＫマイルＣ。３番人気に推されたが、出遅れが響いて４着に敗れた。一時は鞍上をほかの騎手に譲ったが、コンビ復活となった前走の洛陽Ｓに続く連勝。「チャンスをもらえてうれしい」と喜びをかみしめる。

　「苦手だと思っていた京都で連勝ですからね。東京の方がいいイメージがあるんです。自分も余裕を持って臨めると思います」。信頼と自信をより一層深めた人馬が、３連勝でのＧ１獲りを目指す。