【オールカマー】伏兵ヴェルデ重賞初V
「オールカマー・G2」(22日、中山)
9番人気の伏兵ヴェルデグリーンが鮮やかに差し切った。今年に入って5戦4勝。重賞初Vで勢いに乗った、祖母にオークス馬を持つジャングルポケット産駒は、天皇賞・秋(10月27日・東京)参戦を視野に入れる。2番人気メイショウナルト、1番人気ダノンバラードと2、3着には人気馬が続いた。
外回りの残り800メートル。中山の右手、一番奥深いところからヴェルデグリーンが外を回って押し上げる。後方2番手から一気に先行馬群に取り付くと、勢いそのまま内の馬をひとのみ。右ムチに持ち替えて先に抜けた馬をまとめてかわすと、田辺は左手を握り締めてガッツポーズをつくった。
「500万下の時から乗せてもらっている馬。思い入れもあった」とホッとした口ぶりの田辺。「3~4角で自分からハミを取ってくれて、やれるかなと思った」と中山ならではのロングスパートが鮮やかに決まり、してやったりの表情だ。
思い入れの深さなら相沢師も負けていない。自らが手掛けた99年オークス馬ウメノファイバーの孫で、デビュー前から素質を高く買っていた馬だ。出世は遅れたが、この春500万下、1000万特別、1600万特別を3連勝してオープン入り。爪に不安が生じた夏場をじっと我慢して、ようやく実りの秋を迎えた。「使った後が心配な馬だが、何ともなければ天皇賞(秋)を視野に」と指揮官はG1参戦プランを明かした。
相手ははるかに強くなるが「(祖母)ウメノファイバー~(母の父)スペシャルウィーク~(父)ジャングルポケット。東京の方がいい動きをする」と信じる相沢師。コンビを組んで5戦4勝の田辺も「この馬で秋、もう少し頑張れたら」と期待を寄せる。過去58回のオールカマーの勝ち馬で、その年の天皇賞・秋を制した馬はいない。勢いに乗って、競馬史を塗り替える快走を狙う。
