【皐月賞】ルーラー切れ味抜群11秒9

 「皐月賞・G1」(14日、中山) 

 栗東CWの外ラチ沿いを、はじけるように加速した。10日の追い切りでレッドルーラーは向正面をゆったり流し、4角まではストライドを押さえて軽めに進んで行く。松田剛助手の重心が下がったのは直線だ。ためていた脚を一気に開放して、ライドンシャフト(3歳未勝利)に2馬身半先着。5F71秒2‐39秒8‐11秒9を記録した。

 「あれだけ道中が遅かったら、どこかは速くなるさあ」。松田博師はうそぶいたが、この日のような上がり重点の調教で臨むのには、きちんと練り込まれた意図がある。

 発馬は五分でも、テンにスピードが乗りにくいレッドルーラーは後方待機策を強いられる。ならばジッとしていて、末脚にかけるのが最善策だ。練習していないことが本番でできるはずもないのは、人も馬も同じ。競馬で実践する予定のペース配分は、ケイコでもそろえておいた方がいい。

 加えて近況は気合乗りが随分良くなった。そのためか、9日の馬場入りでややペースアップして帰ってきた。それを加味して、オーバーワークにもならない絶妙なさじ加減。「今年の3歳はレースごとに勝ち馬が変わるからなあ。チャンスやろう」。名伯楽の目が、野心たっぷりに光った。

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