【スプリンターズS】ブリッジ勝負気配

 「スプリンターズS・G1」(30日、中山)

 05年サイレントウィットネス、10年ウルトラファンタジーと、過去2勝を挙げている香港勢。世界的に見てもレベルが高いと言われる香港の短距離界だが、今年も強力2騎が襲来してきた。目下3連勝中。英国でG1初制覇を達成した勢いで臨むリトルブリッジは、3週間前に入国して万全の態勢を整える。一方、昨年の5着馬ラッキーナインは、安田記念以来の実戦となるが、香港G1・3勝の実力馬だ。なお、枠順は28日に確定する。

 この一戦にかける熱い思い。初来日となるリトルブリッジからは、勝負気配がプンプンと漂ってくる。外国馬3頭の中で最も早い11日に来日すると、検疫が明けた17日に中山競馬場へ移動し、順調に調整を進めてきた。「遠征競馬では環境に慣れさせることが大切だと思い、3週間前に入国した」とシャム師。調教には常に自らが騎乗するという熱の入れようだ。

 前日に最終追い切りを完了し、27日の朝はダートで軽めのキャンター。これまで1頭で調整してきたが、この日初めてラッキーナイン、キャプテンオブヴィアス(前日に中山入り)と合流した。「2頭が来てから馬がピリッとした。気持ちの切り替えができたのも、早くから(中山に)入厩した効果じゃないかな」。環境に慣れてリラックスしている証拠。指揮官は満足そうにうなずいた。

 昨年の香港G1・香港スプリントこそ、ラッキーナインの4着に敗れた(5着=カレンチャン)が、今年は4月のバウヒニアスプリントTから目下3連勝中。前走は英国のキングズスタンドSに遠征してG1初制覇を達成した。強豪がひしめき合う香港短距離界にあってNo.1の存在だ。「香港の代表としていい結果を残したい」と力が入る。

 調教師としては日本初参戦となるが、香港の名門・アラン厩舎の調教助手として数多くの来日経験があり、00年の安田記念を制したフェアリーキングプローンにも携わった。今回の参戦理由として「精神的に強く、環境の変化に動じることのない馬。フェアリーキングプローンがそうだったようにね」と懐かしさを交えながら説明する。日本の競馬についても「中山は先日もレコードが出たように時計の速いコース。直線の長さこそ違うが(自国の)シャティン競馬場と共通項はある」としっかり分析済みだ。

 今回は世界最速の称号をかけて争われる“グローバルスプリントチャレンジ”の第8戦にもあたる。異なる3カ国での優勝が条件になるが、既に英国のキングズスタンドS(第5戦)を制覇。ここを勝てば、最終戦に自国での香港スプリントを残すだけに、ボーナスの100万米ドルを手にする可能性が高くなる。本気度はマックスだ。日本でG1・2勝目を達成し、一気にボーナス獲りへ王手をかける。

関連ニュース

編集者のオススメ記事

レース最新ニュース

もっとみる

    主要ニュース

    ランキング(レース)

    話題の写真ランキング

    写真

    リアルタイムランキング

    注目トピックス