「7月5日に日本で大災害」の噂をプロレス団体が否定 翌日に“過激な仕掛け人”に捧げる爆破マッチ敢行
「7月に日本で大災害が起きる」との噂が香港で広がり、日本の空港を結ぶ路線が減便となっているというニュースが大手メディアでも相次いで報じられた。具体的な日付としては「5日」が浮上している。そうした“都市伝説”を意識したプロレス団体が翌6日に横浜市内で興行を敢行。団体コミッショナーを務めた昭和プロレスの“過激な仕掛け人”新間寿さん(今年4月死去、享年90)に捧げると宣言した。
今年に入って香港で広まった噂の情報源は、日本の漫画家・たつき諒さんの作品などや、風水師の発言がSNSで拡散されたことも要因とされている。「7月」といえば「1999年7の月に人類滅亡」説が話題になった「ノストラダムスの大予言」を連想させる。いずれも科学的根拠はないが、そうした終末思想にとらわれる大衆心理の表れとも考えられる。
そんな中、怪獣や宇宙人、UMA(未確認動物)のコスチュームを身にまとったレスラーたちが戦うエンターテインメント系プロレス団体「怪獣プロレス」が7月6日に横浜・鶴見爆破アリーナ(鶴見青果市場)で「サンダーボルト電撃爆破」をメインとした大会を開催する。
米バークリー音楽大卒という異色の経歴を持つ団体代表のプロレスラー・雷神矢口は「あえて、この日を選びました。恐怖を笑顔にするのが怪獣プロレスの使命だと思い、6日にアッと驚く過激な仕掛けを行います」と予告。団体の取締役で解説者も務め、超常現象に詳しい作家の山口敏太郎氏は「7月5日に日本に大災害が来ると、ちまたでは騒がれてるようですが、大災害は来ません!私は断言します!」と言い切り、決戦に向けて「怪獣が果たして爆破に耐えられるのか?」と見どころを語った。
同団体のリングでパフォーマンスを披露している清田益章氏も「7月5日?“いつか”大災害は来るとは思いますが、6日に怪獣プロレスの大会があるので今回の5日に災害は来ないです!」と明言した。74年、ユリ・ゲラーの登場による空前のブームにあって超能力少年として注目された清田氏も今年4月で63歳に。出場メンバーに“エスパー清田”として名を連ね、「ぜひお越しくださって笑顔になってください!」と呼び掛けた。
怪獣プロレスは新間さんが最後に上がったリングでもあった。昨年10月にプロレス界からの引退を表明したが、同氏は12月17日に東京・ 町田で開催された同団体のビッグマッチ「KAIJUMANIA 2」に登場し、IKGP(インターナショナル・カイジュウレスリング・グランプリ)のコミッショナーに就任していた。
矢口は「新間会長から『世間をアッ!と言わせるようなことをしなきゃダメだよ。IKGP?面白いことを考えるなぁ。よし!俺がコミッショナーになってやる。昭和のプロレスの面白い世界観をもう一度復活させて、世間を驚かせてくれよ!誰も歩いていない新しい道を開拓するのは大変なことだけど、それをやるのが浪漫だ』と伝えられました」と証言した。
その上で、矢口は「新間初代コミッショナーの意思を継いでIKGPの1回戦を行います。『いかレスラー』などで知られる河崎実監督の新作映画『松島トモ子 サメ遊戯』のシャークも参戦決定。河崎監督も来場します」と告知した。
さらに、仮面ライダー2号(一文字隼人)役の佐々木剛、「超人バロム・1」の白鳥健太郎を演じた高野浩幸、数多の戦隊モノに出演してきた萩原佐代子ら特撮界のレジェンド俳優たち、世界的ギタリストの娘で電車内放送でも知られる声優でタレントのクリステル・チアリ、怪獣造形作家・赤松和光らの参戦も決まった。“大災害”の噂も吹き飛ばす、おもちゃ箱をひっくり返したような大会になりそうだ。
また、矢口は6月9日の「ロックの日」に開催される、元ゴールデン・カップスのギタリスト、エディ藩さん(5月10日死去、享年77)追悼イベント「エディさんありがとう」(横浜7thアベニュー)に出演。同バンドゆかりの地、横浜・本牧で藩さんとセッションをした経験もある矢口は「魂をギターの音に込めて歌います」と誓った。新間さん同様、ジャンルを超えて、大先輩にリスペクトを捧げる。
(デイリースポーツ/よろず~ニュース・北村 泰介)
