織本順吉さん逝く「立派な老衰」医者のお墨付き 出演2000本 92歳で“終幕”
東映やくざ映画やドラマ「最後から二番目の恋」シリーズなどで名脇役として活躍した俳優の織本順吉(おりもと・じゅんきち、本名中村正昭=なかむら・まさあき)さんが18日午後0時2分、老衰のため栃木県那須塩原市の病院で死去した。92歳。神奈川県出身。葬儀・告別式は20日に近親者のみで行った。「最後から-」で織本さんと軽妙なやり取りを繰り広げた俳優の中井貴一(57)は「最後まで、本当にお見事でした」と悼んだ。
重厚な役から軽妙な役まで、幅広い芸域で総出演本数は実に約2000。日本の映画、演劇、ドラマに欠かせない名優が旅立った。
長女で放送作家の中村結美さんによれば、織本さんは「ここ数年かなり足が弱り、自宅で立てなくなったため」年明けから入院。「徐々に体の機能が衰え、最期を迎え」た。
「役者は出番が終わったら、静かに去って行くべきだ」と延命治療は受けず、医師からは「立派な老衰です」と「お墨付きをいただいた」という。
中村さんが織本さんを撮り続けたNHK-BS1のドキュメンタリー「老いてなお 花となる~織本順吉 90歳の現役俳優~」が2017年に放送され、続編「老いてなお 花となる 第二章~俳優・織本順吉92歳~」が今月3日に放送されたばかり。病室で見た織本さんは「俺は幸せな役者だ。感動して眠くなんかならない」と述べたという。
1927年生まれ。45年、新協劇団に入団し、「破戒」で初舞台を踏んだ。50年に岡田英次、西村晃、木村功、高原駿雄らと劇団青俳を結成。80年の解散まで約25年、幹部俳優として活躍した。
映画は小林正樹監督の松竹「美しき歳月」(55年)でデビューし、同監督の「人間の条件」(59年)などに出演。「仁義なき戦い 完結篇」(74年)、「やくざ戦争 日本の首領」(77年)などの東映やくざ映画で印象的な演技を見せた。
ドラマはNHKの放送開始直後、「ビルマの竪琴」(55年)に水島上等兵役で初出演。近年ではフジテレビ「最後から-」(12、14年)で中井と軽妙なやり取りを繰り広げた。最後の仕事は90歳、テレビ朝日「やすらぎの郷」(17年)だった。
