藤井四段 中学生タイトル獲得消滅「まだまだ実力不足」と淡々
中学3年生の最年少棋士・藤井聡太四段(15)が24日、関西将棋会館で指された棋王戦本戦で豊島将之(27)八段に敗れた。同棋戦の敗退により、藤井四段が中学生でタイトルを獲得する可能性は事実上なくなった。通算成績は38勝4敗。局後「まだまだタイトルには実力不足。一歩一歩強くなっていきたい」と淡々と語った。
藤井四段は中学生での獲得の可能性があった竜王戦、王将戦でもすでに敗退。さまざまな記録を打ち立て、今期の勝率でも独走状態だが、A級棋士の壁は高かった。対局した豊島八段は順位戦で最上位のA級に羽生善治三冠、渡辺明竜王らとともに在籍するトップ棋士。藤井四段が公式戦でA級棋士と対局するのは初めて。藤井四段は差を広げられ「読みの深さ、実力の差というかA級の壁を改めて感じました」といつも通り、淡々とした様子で振り返った。
現在勝ち進んでいる叡王戦はタイトル戦の七番勝負が来年3月から5月にかけて予定されており、中学生でタイトルに挑戦する可能性は残されているが、叡王戦の七番勝負が本年度中には終わらない見通しのため、中学生でのタイトル獲得の可能性は事実上なくなった。
この日は夏休み最後の公式戦。将棋に打ち込んだ夏を「トップの先生に教わることができて、トップの強さと自分の実力不足を痛感した」と総括した。次回は9月2日に井出隼平四段(26)と加古川青流戦で対局する。