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上川、決勝で惨敗も“タナボタ”選出

 100キロ超級決勝で七戸(右)に敗れた上川

 「柔道全日本選抜体重別兼ロンドン五輪代表最終選考会最終日」(13日、福岡国際センター)

 日本男子柔道の看板階級・100キロ超級の代表には上川大樹(22)=京葉ガス=が選ばれた。決勝で一本負けも、五輪出場有資格者の鈴木桂治(31)=国士舘大教=と高橋和彦(27)=新日鉄=が1回戦で敗れ、同大会と全日本選手権でV逸した選手として初めて“タナボタ”選出。8月3日の同級実施日まで残り81日。96年アトランタ五輪以来となる「最重量級メダルなし」の危機に直面した。

 どちらが五輪代表かと目を疑う光景だった。決勝、上川は七戸龍(九州電力)の大内刈りで倒されて有効を奪われた。これで目を覚ますかと思われたが、その後、豪快な大外刈りで転がされた。五輪出場資格のない世界ランク79位の相手に手玉に取られる惨敗だった。

 七戸は「大学時代に2度負けていたので3度目の正直で勝てた」と笑顔。上川は「全然ダメ。優勝しないと意味がない」と目を伏せた。全柔連の上村春樹会長は「勝つべき人が勝たないと。消去法では…」と苦言。それでも上川が選ばれた。鈴木、高橋の低迷に加え、10年世界選手権で世界1位のリネールに勝った実績が決め手になった。

 上川は「勝ち残った僕に鈴木さんと高橋さんが『優勝しろよ』と言ってくれて、泣きそうになった。でも裏切ってしまった。篠原監督には『選んだからには俺の責任であり、お前の責任だぞ』と言われた。『自分の責任』。組み手のスピードとパワーを強化して優勝する」と宣言。世界最強リネールを倒した“一発屋”では終われない。

(2012年5月14日)

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