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新谷、練習の一環で出場も圧巻V

 スタンドにシューズを投げ入れた新谷仁美だったが…(撮影・保田叔久)

 「デイリースポーツ主催・兵庫リレーカーニバル兼ロンドン五輪代表選考会最終日」(22日、神戸ユニバ)

 グランプリ決勝の女子1万メートルなどが行われ、新谷仁美(24)=ユニバーサルエンターテイメント=が31分28秒26で、ロンドン五輪A標準記録(31分45秒00)を突破し、初優勝を飾った。また、2位の吉川美香(27)=パナソニック=も31分58秒73で、同B標準記録を突破した。女子走り高跳びでは悲願の五輪出場を狙う“ママさんジャンパー”福本幸(35)=甲南学園AC=が1メートル80で優勝した。

 日本女子長距離界で今、最もノリに乗ってる爆走娘が、初の1万メートル挑戦で衝撃のパフォーマンスを披露した。

 4月に入って染めたというド派手な金髪をなびかせながら、序盤は第2集団に控えていたが、3000メートル過ぎになり、先頭のケニア人を猛追。そのまま6000メートル手前で、一気に抜け出すと、あとはもう独走だった。五輪A標準記録をあっさり突破し「要因ですか?髪を金髪にしたことですかね。オシャレの一環だけど、髪だけじゃなく、走りでも目立たないとと思って」と、豪快に笑った。

 マラソンの名将・佐倉アスリート倶楽部の小出義雄代表の下で練習しているが、昨年の世界選手権以降は、自ら練習メニューを作っている。「監督はマラソンに関しては、世界一だけど、トラックをやるには監督のメニューでは多すぎる」。はっきり自分の意見を口にし、独自の練習に取り組み始めた。その後はクロスカントリーなどで連戦連勝。「結果が出ているので、(監督に)何も言わせないよって感じです」と、胸を張った。

 主戦場としているのは、5000メートル。今回もあくまで練習の一環としての出場で、五輪最終選考となる6月の日本選手権については「5000メートル1本で行きます」と、明言した。

 かつては第1回東京マラソンで初マラソン初優勝も飾った逸材。現在の充実ぶりから、将来的なマラソンへの再転向も期待されるが「1万以上は絶対に走りません!」と、キッパリ。ただ、「沿道にイケメンがいっぱいいれば、考えます」と、ちゃめっけタップリに笑った。つかみどころのない破天荒キャラの24歳が、神戸の地で、そのポテンシャルを見せつけた。

(2012年4月22日)

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