引退会見の坂本花織さん 笑顔の裏にあった勝負師の立ち居振る舞い「ベストな演技で誰が一番だったかという争いがしたかった」
フィギュアスケート女子で五輪2大会連続メダルを獲得し、今季限りで現役を引退した坂本花織さん(26)が13日、神戸市内で引退会見を行った。
リンク内だけでなく、リンク外でも周囲に明るく振る舞っていた現役生活。そこには坂本なりの“流儀”があった。「自分が良くて他の人がミスして勝てたときに喜びきれないというか。みんなパーフェクトを目指してやってきているもの。全員がベストの演技でそれで誰が一番だったかという争いがしたかった」とベストパフォーマンスで競うことを臨んでいた。
「緊張感も必要なんですけど。そんなにいらない要素。リラックスして全員がベストな状態で試合に挑んでいきたいなって気持ちがある」。本番前でも競い合う相手に対して優しく接していた坂本。「(相手が)緊張してるってなったら『いっしょにどっかお散歩行く?』とか。できる範囲内ですけど一緒に戦う上で、そこでベストパフォーマンスができるような動きになればいいなと思ってやっていました」と心がけていた立ち居振る舞いから温かい人柄がにじんだ。
ミラノ・コルティナ五輪の団体戦で共闘し銀メダルを獲得したりくりゅうも引退。「引退することは前から聞いていたので。今シーズンでっていうのはずっと二人と話していた。ラスト一緒に頑張ろうねと。3人でオリンピックの個人戦が終わって集まったときも『やっと終わった』って言って」と同じ思いで臨んだラストシーズンだった。
将来的には指導者を目指す。「わかりやすくいうと中野先生みたいな先生になりたい。技術のことだけじゃなくて人間性の部分でもいろいろ伝えられたら。技術の面ではそれぞれの子にあった指導をできるように。自分らしく指導できるようにできたらいいなと思っています」と理想のコーチ像を口にした。
◆坂本花織(さかもと・かおり)2000年4月9日生まれ、神戸市出身。身長159センチ。NHK連続テレビ小説「てるてる家族」で、五輪選手になるヒロインの姉を見て4歳で競技を始める。2016年全日本ジュニア選手権で初優勝し、17年世界ジュニア選手権は銅メダル。全日本選手権は18年に初優勝し、21年から5連覇を達成。五輪は18年平昌6位、22年北京は銅メダル、団体は銀、26年のミラノ・コルティナ五輪では団体、個人ともに銀。GPファイナルは23年に優勝。世界選手権は22年から3連覇し、25年は2位。神戸野田高、神戸学院大経営学部卒。趣味は折り紙、手芸、ジグソーパズル、韓国ドラマや映画の鑑賞。料理上手でお菓子作りや自炊をこなす。水泳も得意。
