広島ドラ5・菊地ハルン0封デビュー 2メートル115キロの高卒新人が鮮烈3人締め
「広島5-0巨人」(23日、マツダスタジアム)
ビッグなデビューじゃ~!!広島のドラフト5位・菊地ハルン投手(18)=千葉学芸=が1軍初昇格即初登板を果たし、1回無安打無失点の好投を披露した。球団高卒新人がマツダスタジアムでデビューするのは2010年の今村猛以来2人目。チームの連敗も5でストップし、身長2メートルを誇る広島の大きな希望の星がプロとして大きな一歩を踏み出した。
マウンドへ向かう足取りは堂々としていて、実に雄大だった。高卒新人離れした巨体に鯉党は夢を抱き、その落ち着いた投球に見とれて感嘆の声を上げた。身長2メートル、体重115キロの菊地が満点デビュー。プロ初登板を三者凡退で終え、試合を締めてみせた。
夢の舞台に立ち、大歓声は力に変わった。5点リードの九回に登板。グラウンドに出た瞬間、満員のスタンドから声援を浴び、「すごい歓声で。それで緊張がほぐれた」。元々はシャイで緊張しがち。この日も試合前練習中は「結構緊張してます」と苦笑いを浮かべていたが、マウンドに立つと眼光に鋭さが増した。
投じた11球中10球が直球で真っ向勝負を挑んだ。先頭・中山を中飛に打ち取ると、次打者・リチャードも中飛。最後は増田陸を146キロ直球で空振り三振に斬って、あっという間のデビュー登板。「真っすぐがきていたので今日は真っすぐでいってやろうと思っていた。とりあえず0点に抑えられたので良かったです」と試合終了後のベンチ裏で安堵(あんど)の息をついた。
超素材型として広島にやってきて半年以上が経過。高校時代は145キロ程度だった球速が7月のシート打撃では153キロを計測して周囲を驚かせた。ウエスタンでは4月に早くもデビューし、主に中継ぎとして10試合に登板して0勝0敗、防御率2・87の成績をマーク。順調すぎる成長曲線を描きながら、この日1軍初昇格を果たした。
魅力はなんと言っても、NPB現役最長身となる身長2メートル、体重115キロの肉体だ。出生時の体重は3050グラムながら、中学卒業時で身長は190センチを突破。高校卒業までは実家で育ち、母・知恵子さんの手料理で大きくなった。1食で米2合、ステーキ2キロを平らげることもあったというほどだ。
そんな“ビッグマン”の鮮烈デビューに新井監督は「緊張したと思うけど、ストライク先行で投げられるのは大したもの」と称賛した。チームは今季の巨人戦を13勝11敗1分けで終え、2年ぶりの勝ち越しに成功。2年連続Bクラスが決定しているカープに超巨大新星が希望の光をともす。
◇菊地 ハルン(きくち・はるん)2007年1月21日生まれ、18歳。千葉県出身。200センチ、115キロ。右投げ右打ち。投手。千葉学芸から24年度ドラフト5位で広島入団。今季ウエスタンでは10試合で勝敗なし、防御率2.87。父はパキスタン出身。将来性豊かな右腕で変化球を精度良く投げる器用さも備える。





