敦賀気比・高見沢「契約金0円」の元オリックス選手の父とともに夢を追う

 「選抜高校野球・2回戦、大阪桐蔭3-1敦賀気比」(20日、甲子園球場)

 敦賀気比(福井)は大阪桐蔭(大阪)のエース・前田悠伍投手(3年)に8安打を浴びせるも1得点に終わり、センバツ3年連続初戦敗退となった。

 4番・高見沢郁魅内野手(3年)は2安打を放つなど食い下がったが「チャンスで打てなかった。夏に向けて1球で仕留められるようにしたい」と悔しがった。

 父からの言葉が常に胸にある。「いつも『シンプルにいけ』とLINEが来る。毎回です。それ以外は何もないんです」。繰り返される短い励ましはルーティンのように、「頑張ろう」と前向きな気持ちにしてくれる。

 父・考史さんは、東京ガスから2000年度ドラフトで「契約金0円」という条件でオリックスに6位入団した元外野手。異色の経歴で当時は「金より夢を選んだ男」と話題になった。02年にはプロ初安打となる本塁打を西武・松坂から放つなど62試合に出場。03年に引退し、現在はさいたま市でバッティングセンター「アーデルバッティングドーム」と野球教室を営む。高見沢も、中学までは塾生とともに父の指導を受けた。

 この日、アルプススタンドで応援した考史さんは、自身が出られなかった甲子園をかなえた息子に「それはずるいなと思いますね」とニッコリ。「一生懸命頑張ってもらいたい」とエールを送った。

 名門・敦賀気比に入学した息子の成長に「高校に入ってから、バットを持って振ってというのがクセなんでしょうね。ご飯を食べ終わって夜8時ぐらいには『バットを振ってくる』と行ってしまう」と目を細める。自身の現役時代に重なるようだ。「小さい頃は、自分だけじゃなくて周りに目を配るようにと言ってました」と人間関係を築く基礎も教えた。

 敦賀気比で中心打者になった高見沢は、大会前から「前田君を打ちたい」と目標にしてきた。この試合は前田から2安打を放ったが、試合は敗戦。五回2死一、二塁では空振り三振に仕留められた。「チャンスで打っていれば」と唇をかみ「勝負強い4番になりたい」と決意を新たにした。父の期待も背負い、夏に向かって夢を追い続ける。

関連ニュース

編集者のオススメ記事

野球最新ニュース

もっとみる

    スコア速報

    主要ニュース

    ランキング(野球)

    話題の写真ランキング

    写真

    デイリーおすすめアイテム

    リアルタイムランキング

    注目トピックス