広陵 逆転決勝進出でセンバツ当確 〝ボンズ〟真鍋が守備でミス→打で取り返した

 「秋季高校野球中国大会・準決勝、広陵8-6鳥取城北」(5日、ぶんちゃんしまなみ球場)

 準決勝2試合が行われ、第1試合は広陵(広島1位)が鳥取城北(鳥取1位)に逆転勝利。“広陵のボンズ”の異名を取る真鍋慧内野手(2年)は守りでミスはしたが、八回に同点適時打とバットでチームを救った。第2試合は光(山口3位)が高川学園(山口1位)を2-1で下した。勝った両校は来春のセンバツ出場に大きく前進した。決勝戦は6日に行われる。

 やはりどこにいても目立つ。広陵は初回、先発・倉重聡投手(2年)が3安打を集中されて1失点と劣勢からのスタートとなったが、直後に無死二、三塁の好機を得て、真鍋がきっちりと同点中犠飛。

 しかし“ボンズ・デー”の序章にすぎなかった。第2、第3打席ではいずれも四球と、なかなかバットを振らせてもらえない。

 迎えた六回の守りだ。1点を勝ち越されなお1死満塁のピンチで相手のスクイズが一塁・真鍋の正面へ。本塁封殺のタイミングだったが、これをお手玉する形でタイムリーエラー。

 続く打者のスクイズがまたも真鍋のところへ。「一つ目のエラーで余裕を失ってました」。本塁へ送球したが、セーフとなる野選。3点を追う苦しい展開となった。

 潮目が変わったのは七回だった。相手エース・新庄空投手(2年)が突如崩れ、無死一塁から3連続四球で1点を返すと、2死後、代打・中尾湊捕手(2年)の適時打で真鍋が同点のホームを踏んでガッツポーズだ。

 少し、打撃を崩していた。しかも、この日もそうだが、七回の打席を含めて3四球となかなか勝負してもらえないストレスもあった。

 期間中、中継を見てくれていたという兄・駿さん(広島商-法大)に助言を仰いだ。大きい当たりを欲しがりすぎていたのか、トップの位置がかなり捕手寄りだったことを指摘された。これを耳の近くにする、コンパクトなトップに改良した。

 さらに、守りのミスでヘコみそうなところで「ベンチで『お前が打つしかないんだから』とみんなが励ましてくれた」という味方の存在に、真鍋の集中力は高まった。

 八回。三たびリードを許した。2点差となったが、味方が1死二、三塁とお膳立てしてくれた。ここで本来のスイングスピードを取り戻した真鍋は「インコースの真っすぐ。反応で打てました」と強烈な打球で一塁線を破る同点二塁打だ。

 何をやっても目立つ。そして、最後に勝つ。センバツ枠は中国地区2校+中四国のどちらか1校。広陵の出場はかなり有力だが、目標はそこではない。中井哲之監督(60)に「お前が打てんかったら、悔いはない」とまで言わせる主砲が、中国大会優勝、さらには神宮大会、センバツ、選手権と、広陵をどこまでも引っ張り上げていく。

 ◆真鍋 慧(まなべ・けいた) 2005年6月17日生まれ、広島市出身。189センチ、89キロ。右投げ左打ち。内野手。小学校時代はソフトボール。瀬野川東中に進み、広島安芸シニアで硬式野球を始める。広陵では1年からベンチ入りし、高校通算47本塁打。

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