富岡西、初甲子園 創部120年目で悲願達成!「野球のまち」に春が来た

 「選抜高校野球・選考委員会」(25日、オーバルホール)

 第91回選抜高校野球大会(3月23日開幕・甲子園)の出場32校を決める選考委員会が25日、大阪市内で行われ、昨秋四国大会4強の富岡西(徳島)が21世紀枠に選出され、春夏通じ初の甲子園出場を決めた。徳島県南部を代表する伝統校の野球部にとって、創部120年目での悲願達成。「野球のまち」として知られる地元・阿南市が歓喜に沸いた。

 「野球のまち」に待ちわびた春がやってきた。21世紀枠に選ばれ、創部120年目でつかんだ初の甲子園切符。小川浩監督(57)を胴上げするナインの周りで、在校生や野球部OBらも抱き合い、喜びを分かち合った。

 「念願の甲子園。夢舞台に立てる。地域の方々に感謝の気持ちでいっぱいです」。坂本賢哉主将(2年)が声を弾ませた。

 人口約7万3000人の地元・阿南市は、野球による“町おこし”に熱心だ。2007年の「アグリあなんスタジアム」完成を機に、少年野球や還暦野球など全国規模の大会を次々に誘致。10年には市役所に全国初の「野球のまち推進課」が設置された。

 中国や台湾プロチームのキャンプも行うなど、今では国内外から年間約1万1000人が同市を訪問。ホテルが新設され、約1億円の経済効果が生まれるなど、野球が観光の柱となっている。

 その取り組みの一環として、毎年3月にはセンバツの北信越代表校が同市で直前合宿を実施。市内の高校野球部と練習試合を行うのが恒例となっている。

 富岡西も過去に敦賀気比や福井工大福井と対戦し、昨年は8強入りした日本航空石川に胸を借りた。大敗を喫したものの、エース・浮橋幸太投手(2年)は「全国レベルの打球の速さを体感できたし、抑えるには緩急が必要だと学べた。『野球のまち・阿南』が自分たちにもプラスになっている」と振り返る。

 ほかにも無料で室内練習場が利用できるなど、地元のバックアップが近年のチーム強化につながっている。市民の野球熱も高く、センバツ本番ではアルプス席に大応援団が駆けつけるに違いない。

 「目標はベスト4」と坂本主将。4番打者でもある浮橋は「甲子園で完封したいし、ホームランも打ちたい」と活躍を誓った。01、08年にも21世紀枠の四国地区候補に選ばれ、ようやく“三度目の正直”でかなった夢舞台。熱い声援を背に、甲子園で「野球のまち」を思う存分アピールする。

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