松坂「甲子園が力をくれた」 引退発表の村田、杉内に贈る38歳星
「阪神2-6中日」(13日、甲子園球場)
聖地で凱旋星だ。12年ぶりの甲子園。かつて「怪物」として日本中を熱狂させた場所で中日・松坂は水を得た魚のように躍動し5回1失点で6勝目。38歳のバースデー白星を飾った。
「特別な球場であることには変わりない。甲子園という球場が力をくれたのかな」
途中までほぼ完璧な投球だった。「前回が悪すぎたので、天気も怪しかったし、序盤から飛ばしていこうと。ストレートも久しぶりに良かった」。明らかに抜ける球は少なく、ストライクゾーンで勝負できた。カットボールと合わせて組み立て、失点は四回1死三塁で陽川の適時二塁打による1点に抑えた。
直後にはヒヤリとした場面もあった。続くナバーロに2球目を投げバランスを崩した。「左足をひねったような感じになった」。五回は2死から連打などで二、三塁のピンチにも大山に外角低めのスライダーを振らせた。珍しくガッツポーズをつくり、ほえた。左足が背中や肩肘に与える影響を考慮され、五回でマウンドを降りた。
甲子園のマウンドは西武最終年だった2006年6月9日の阪神戦以来。誕生日の登板は西武時代を含め計4度登板し3勝0敗だ。誕生日に甲子園で腕を振ったのは98年アジアAAA選手権決勝以来20年ぶり。そのときは1失点完投勝利を挙げていただけに「内容はほど遠いけど、勝ててよかった」と白い歯を見せた。
同学年のプロ野球選手では前巨人の村田、巨人の杉内らが今季限りでの引退を発表。だが同世代の中心人物である松坂はまだまだ奮闘中だ。