智弁和歌山・高嶋監督、春最多31勝で決める 連敗中のライバルへリベンジだ

 「選抜高校野球・準決勝、智弁和歌山12-10東海大相模」(3日、甲子園球場)

 智弁和歌山が春は2000年以来、18年ぶりの決勝進出を決めた。一時は最大5点リードを許すも、4点を追う八回に黒川史陽内野手(2年)の2点中前打などで同点に追い付くと、延長十回に冨田泰生外野手(3年)の中犠飛などで2点を勝ち越した。一回途中から救援したエース・平田龍輝投手(3年)は180球の熱投で激戦を制した。決勝では1994年以来、24年ぶり春の頂点を懸けて大阪桐蔭と激突する。

 大激戦を制しての勝利にも笑顔はなかった。「負け試合でした」。春通算30勝で決勝進出を決めた智弁和歌山の高嶋仁監督(71)は、お立ち台で淡々と口を開いた。

 勝つには勝ったが、勝った気がしない。むしろ、腹が立つ試合内容だった。「ベンチでものすごく怒った」。そう振り返ったのが、5-6で迎えた六回の守備だ。無死一塁から一ゴロを処理した文元が二塁へ悪送球。無死一、三塁とピンチが広がり、続く打者の打球は遊撃へのゴロ。これを今度は西川がそらし、打球は左中間へ。2点適時失策となり、打者走者は三塁まで進塁。その後、犠飛で得点を失い、さらに2死二塁で三塁手の林が一塁への悪送球を犯し、また失点。3つの失策が重なり4点を失った。

 失策連発の原因を、五回に逆転2ランを浴びて選手が気落ちしたこととみた高嶋監督。すぐさま、「見てみい!(気落ちするから)試合はこうなるんや」と激怒。下を向く選手を叱咤(しった)し、気持ちを奮い立たせた。

 「あきらめずに選手は粘ってくれた。監督のしぶとさが乗り移ってくれた」。決勝は大阪桐蔭戦。昨春の近畿大会、昨夏の甲子園、昨秋の近畿大会と連敗中の相手だ。「大阪桐蔭に勝つまで辞められない」と言ってきたライバルとの大一番。「ウチの力がどれくらいか見たい」。勝てば春通算勝利が最多タイとなる名将は雪辱へ静かに臨む。

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