智弁和歌山、高嶋監督「もう無理かと」 延長戦十回逆転サヨナラで4強
「選抜高校野球・準々決勝、智弁和歌山11-10創成館」(1日、甲子園球場)
智弁和歌山(和歌山)が延長十回、黒川史陽内野手(2年)の左越え逆転2点二塁打でサヨナラ勝ちを収めた。準優勝した2000年以来のベスト4に進出した。準決勝では東海大相模(神奈川)と対戦する。
智弁和歌山は7-9の九回、2死満塁から平田龍輝投手(3年)の左前2点適時打で同点に追いつき、今大会4度目の延長戦に突入すると、粘り強い打撃で接戦をものにした。1大会6度目のサヨナラゲームは2014、16年と並び大会最多タイ。
高嶋仁監督(71)は「追いついては追い越され、もう無理かと思っていた」と、主導権を取れない展開に苦しんだ。それでも「選手たちには『負けてもいいから、夏に向けて何かをつかめ』と話し続けた」という。その言葉に選手も応え、土壇場の同点、逆転を生んだ。
この日二回にソロ本塁打、延長十回には逆転サヨナラの2点二塁打を放った黒川について「ここ2、3日、林(晃汰内野手)とともに調子が上がっていた。ライナーをガンガン飛ばし、手をつけられないくらいだった」と手応えを感じていた。延長十回は「当てにいかずに自分のバッティングをしろと送り出したんです」と信頼していた。
創成館(長崎)は初回に四死球と3本の単打で3点を先制。三、四、五回にも追加点を奪った。7-6の七回には野口恭佑外野手(3年)の中前打で2点を加え、リードを広げた。延長十回には相手の失策に絡み1点を勝ち越したが、その裏再逆転を許した。