【狩野恵輔氏の眼】安定の阪神・藤浪「困った時に頼れるボール」がある

 内容は良かった。阪神の先発・藤浪は暴投による失点こそあったが、この日で5試合連続でクオリティースタート。投球内容は決して悪くない。

 先発復帰してからの安定感の理由は『困った時に頼れるボール』の存在ではないか。それは右打者の外角低め、左打者では内角低めへのストレート。しっかりと制球できており、苦しい場面でも、このボールが軸としてあることから余裕が生まれているようだ。

 マウンド上の姿から吹っ切れたという印象を受ける。最近5試合の安定感は技術的な部分もあるだろうが、最も大きいものはメンタルだと思う。昨年までは『ちゃんと投げないと』と自分を追い込み、自身と戦っていたようだった。一方、最近はしっかりとバッターと対戦できている。

 一方、上位争いしているチームとして大事なのは、同点や僅差でリードされている状況で登板する投手。ビハインドの試合で、いかに勝ち星を拾っていけるかだ。

 この日2番手のアルカンタラは、七回に坂本にタイムリーを許した直後、両手を膝についた。こういった様子を助っ人投手は滅多に見せない。リリーフ陣への細やかなケアもベンチの大事な役割となってくる。

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