岡田彰布氏が指摘した七回の攻撃 チーム状態が悪い時こそ「あわよくば」ではなく「謙虚」に

 岡田彰布氏
 7回、梅野は中飛に倒れる(撮影・山口登)
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 「阪神1-3巨人」(17日、甲子園球場)

 阪神、オリックスで監督を歴任したデイリースポーツ評論家・岡田彰布氏が17日、阪神-巨人戦で本紙の解説を務めた。阪神は2点を追う七回無死一塁で強攻して無得点。チーム状態が悪い時こそ、堅実な策を採る必要性を説いた。

   ◇  ◇   

 阪神はチームの状態が悪いからこそ、「謙虚」に攻めてほしかった。

 四回に逆転3ランを浴びた後、六、七回に浜地が2回無失点と好投した。いい流れで迎えた1-3の七回。先頭の糸井が三塁内野安打で出塁した。

 ここで梅野は初球を打って中飛に倒れた。状況を考えれば、送りバントで1点を取りにいく選択をするべきだろう。

 もし1点を返せれば、1点差で残り2イニング。八回にはクリーンアップにも打席が回って来るし、相手へのプレッシャーは大きくなる。同点、勝ち越しの確率が上がってくるはずだ。

 阪神は連勝中とはいえ、打線の状態は決していいとは言えず、ヒットが3、4本と続くことは考えづらい。流れが悪い時こそ、「あわよくば」ではなく、堅実な作戦を採らなければ流れは引き寄せられない。

 七回に初球を打った梅野も、ベンチがサインで抑える必要がある。選手は状況が苦しいだけに「打ちたい、打ちたい」という心境になる。そこをコントロールしなければ、余計に作戦が後手後手になってしまう。

 勝てない時こそ、ベンチには「動いて」ほしい。動くというのは、「盗塁を仕掛ける」とか走者を走らせることだけではない、バントなど堅実な策も含めて「動く」ということだ。首脳陣には動いて、状況を打破してもらいたい。

 今の阪神はとにかく目の前の試合を勝っていくしかない。勝っても借金は1つしか減らせないわけだから、「1カ月で5つ減らそう」とか先のことを考える必要はない。1試合、1つのプレーに集中してもらいたい。

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