暫定王者・高山樹延ダウン奪取も判定負け ベルト失い「申し訳ない」

 「ボクシング・東洋太平洋ウエルター王座統一戦」(25日、後楽園ホール)

 暫定王者の高山樹延(30)=角海老宝石=が正規王者のジャック・ブルベイカー(24)=豪州=に1-2の判定負けで、王座統一に失敗し、ベルトを失った。

 11センチも身長の高い相手がフックを振り回してくるのに対し、ボディーを軸に応戦。しかし2回、偶然のバッティングで右目上をカットし流血する不安な立ち上がりだった。

 4回終了時の公開採点は三者三様のドローだったが、中盤からペースを奪われた。強烈なフック、ボディーで圧力をかけられ、じわじわとポイントを失っていった。8回には偶然のバッティングで左目上もカットし、集中力もそがれた。

 10回、一方的に打ち込まれる様子を見た陣営は11回に「ぐらつくようなら止めるぞ」と送り出した。ここから高山が意地を見せた。連打で押し込み右アッパーでこの試合唯一のダウンをゲット。だが、反撃は遅すぎた。

 「負けるときってこんな感じなんでしょうね。行けっ!て言われても体が動かなかった。打った後に余計なパンチを、おつりをもらってペースダウンしてしまった」と絞り出した。

 鈴木真吾会長に「あそこからよく頑張ったよ」とねぎらわれると、「チャンスをつくってくださったのに、申し訳ないです」と大粒の涙をこぼした。

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