辰吉寿以輝 決めて欠き判定勝ちに涙

 「ボクシング・4回戦」(27日、東和薬品RACTABドーム)

 元WBC世界バンタム級王者・辰吉丈一郎(45)の次男寿以輝(19)=大阪帝拳=がデビュー4戦目となる56・5キロ契約4回戦に臨んだ。三瓶一樹(24)=ワタナベ=を2-1判定で下してデビューから4連勝(2KO)。しかし、決め手を欠いた内容に「負けたと思いました」と、ぼうぜんと話し、控室で膝を抱えて涙した。

 身長が10センチも上回る相手との対戦にキャリアの少なさが出てしまった。手数を出せず、長いリーチをかいくぐってボディーを狙うがクリーンヒットには至らない。4回にようやく距離をつめたが攻めきれず。相手コーナーからブーイングが起きた判定に「自分に悔しい」と唇をかんだ。

 リングサイドで見守った父の辰吉丈は「つらいと思うよ」と心中を思いやりながらも「そんな試合をしたあの子が悪い」と、あえて突き放した。「どこかで勝てると思ってた。危機感がなかった」。技術面でも「左の使い方はいくつもあるのに何一つ打てなかった」と切り捨てた。

 日頃から息子への指導は控えており「トレーナーが悪いわけじゃない」と言いながらも「オレがトレーナーにつきたいわ!」ともどかしげだ。2戦連続の判定勝ちを経て、6回戦昇格の資格を得た寿以輝は「ちゃんとKOで勝ちます」と次戦で意地をかけるつもりだ。

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