広島・坂倉が5連勝導いた 2位・DeNA3連倒で1・5差! 七回追い付かれても即決勝タイムリー「何とか必死に」
「広島5-3DeNA」(29日、マツダスタジアム)
広島・坂倉将吾捕手(25)が勝負強さを発揮した。同点の七回1死一、三塁の好機で決勝の中前適時打を放ち、チームを今季2度目の5連勝へ導いた。さらにこれで6度目の同一カード3連勝。貯金は今季最多を更新する6に増え、2位・DeNAには1・5ゲーム差に迫った。勢いをさらに加速させ上位の背中を追う。
打球が中前に抜けたのを確認すると、坂倉は右手を力強く握って一塁へ駆け出した。塁上で手をたたき、右手を振り下ろしてガッツポーズ。ヒーローを包み込む拍手と歓声が鳴りやまない。2位・DeNAに同一カード3連勝。最高のフィナーレを用意し「何とか必死に食らい付きました」。ベンチと本拠地に歓喜をもたらした。
同点に追い付かれた直後の七回だ。1死一、三塁でエスコバーと対峙(たいじ)。併殺打もよぎる状況だが、強気な姿勢を貫いた。「ゲッツーは打ちたくなかったけど、最悪それでもいいと。低い打球を意識した」。決勝適時打で、試合を決めた。
今季初登板の先発・野村が6回無失点。勝利投手の権利を手にして降板したが、2番手・ターリーが七回に打たれて試合は振り出しに戻っていた。「ターリーも悔しい登板だったと思う。やられた次の回にすぐ取り返せたので良かった」。女房役としての思いも背負って快音につなげてみせた。
非凡な打撃センスで中軸打者へと駆け上がった。その過程には、リード時でも劣勢でも、同じスタンスで目の前の打席に立つ積み重ねがある。「1打席も無駄にしてはいけないと思っているし、それが(試合に)出ている責任。調子が悪い時は、その打席がきっかけになる時もある」。真っすぐに打撃と向き合ってきたから、今がある。その姿はこれからも変わることはない。
これで8試合連続安打。気温の上昇とシンクロするように、状態もうなぎ上り。6月の月間打率も・364とバットでチームを支え、今季2度目の5連勝へといざなった。
2位・DeNAとは1・5ゲーム差。新井監督は「同点に追いつかれたけど、すぐ突き放せた。チームにも反発力が付いているなと感じた」とご満悦。貯金は今季最多を更新する「6」。「まだまだシーズンは長い。連勝で気が緩まないようにしっかり気を引き締めて」と坂倉。勝負はまだ、これから。勢いづく赤ヘルの象徴ともいえる勝負強さで、攻撃陣を引っ張っていく。




