広島のドラフト２位・内田湘大内野手（１８）＝利根商＝がバットのヘッドの使い方を課題に初めてのシーズンに臨んでいる。打球を捉えるポイントのイメージを、前ではなく捕手側に置くことでヘッドを効かせたスイングにしようとしている。持ち味はフルスイングだ。長所を生かしながら打力アップを目指す。

　待ちに待ったシーズンが始まった。内田は持ち味のフルスイングを貫き戦い抜く決意だ。「打席で物おじせずに振っていけるというところをしっかりやっていきたい」。１８歳の若鯉は力強く言い切った。

　開幕戦となった１７日の阪神戦でいきなり強い印象を残した。「８番・一塁」でスタメン出場し二回に訪れた“プロ初打席”。２死二塁から桐敷の変化球を振り抜き中越え適時三塁打を放った。今季チーム初得点だ。

　将来の４番として期待され入団した。春季キャンプを経て現在取り組むテーマは、ヘッドの使い方だ。長打力が魅力ながら、バットに全てのパワーを伝えきれていない感覚があったという。

　改善策として、球を捉えるポイントのイメージを捕手側に置きスイングをする。キャンプが終わり広島に戻ったあと、新井良２軍打撃コーチと話をした際に助言を受けた。

　「後ろで振って、その余韻で（体が）回るような感じです」

　新井良コーチは内田にかけた言葉の意図をこう説明した。「打つポイント、前で前でバットを振ろうとして体が正対する（開く）のが早くなっていた。そのくらい（捕手側）の意識でちょうどいいよって、言いました」

　力強くバットを振れるのが若鯉の魅力。同コーチは「高卒１年目でこれだけ振れるなら十分。良い所は消さないように」と力を込める。フォームなどを変えるのではなく、意識を変えることで長所を伸ばしながらの成長に期待している。

　守備位置は本来の三塁に加え一塁にも取り組む。攻守両面でレベルアップを図る毎日は充実感いっぱいだ。

　「まだまだ課題はたくさんある。日々、成長していきたい」。成功も失敗も、全てを成長の糧としていく。

　内田　湘大（うちだ・しょうだい）２００４年９月２２日生まれ、長野県出身。内野手。右投げ右打ち。１８３センチ、９０キロ。小学２年で野球を始め、中学は群馬西毛ボーイズに所属した。利根商に進学し２年から一塁でレギュラー。３年時は投手も兼務する二刀流として活躍した。２２年度ドラフト２位で広島に入団。