広島 田中広輔ミラクル満塁弾から逆転勝利「精神面も大事だ」 新井監督で首位は初「血が沸騰する」チョー興奮

 6回、田中の同点満塁弾にベンチで絶叫しながら喜ぶ新井監督(撮影・田中太一)
 6回、同点満塁弾を放つ田中(撮影・田中太一)
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 「広島7-5ヤクルト」(16日、マツダスタジアム)

 広島が初回に5点を先制されながら、六回の田中広輔内野手(33)の2号満塁本塁打などで逆転し、3連勝。マツダスタジアム7連勝で昨年5月13日以来、新井貴浩監督(46)としては初の首位に立った。開幕戦で3タテを食らった昨季の王者にきっちりお返し。3戦とも雨中の消耗戦となったが、新井カープは泥くさく勝ちきった。

 田中は打った瞬間に右手を挙げていた。3万大観衆の声援を後押しに、打球は右翼スタンドに飛び込む満塁本塁打。同点のミラクル弾にスタンドのボルテージは最高潮。一塁ベンチでは新井監督が右拳を突き上げていた。

 初回に5点を先制されても誰も諦めたりはしない。四回にマクブルームの犠飛で1点をかえし、五回終了後に雨で49分間の中断があっても集中力を切らす者はなかった。

 そして六回。2死満塁で田中に打席がまわってきた。

 「ここで打たなきゃ男じゃない」

 代わったばかりの星の2球目、内角149キロを一発で仕留めた。2019年6月5日・西武戦(メットライフ)以来、4本目のグランドスラム。これで流れを一気に呼び込み、開幕戦で3連敗したヤクルトに3タテ返しを食らわせた。

 崖っぷち男の意地だった。かつてのV3戦士も昨季はプロ入り9年目で、最少となる41試合の出場にとどまった。オフの契約更改では球団史上最大の1億2000万円ダウンでサイン。それでも指揮官の「期待しているゾ」の言葉を信じてひたむきに取り組んできた。

 「精神面も大事だと今年はすごく感じています。ずっとレギュラーとして立たせてもらって、強くなった気がしていただけなのかなと。(試合に)出られなかった苦しみだったり、後からいく選手の気持ちだったり。またファームでずっと1軍目指して練習している、そういった気持ちを経験して、まだまだ僕は甘かったと感じた。それが今年は良い結果になってきたかなと思います」

 控えになって、炎天下の2軍を経験したことが今の自分の力になったと強く感じる。

 そんな田中の姿を見てきた新井監督も興奮していた。「すごかったですね。血が沸騰するような、そんなホームランでしたね。彼が今年に懸ける気持ちというのは私が一番よく分かっていますので、本当にうれしかったです」と喜んだ。指揮官自身も苦しんだ経験があるからこそ、喜びの大きさも知っている。

 まだ13試合ながら首位に立った。選手と監督、厚い信頼があるから新井カープは強い。

 ◆マツダ7連勝!勝率・875!! 広島の今季マツダスタジアムは8試合で7勝1敗、勝率・875でセ・リーグ球団の本拠地勝率トップ。今季は初戦で敗れたものの2戦目以降7連勝。7連勝は2019年7月19日・巨人戦~8月2日・阪神戦以来。この年は他に5月11日・DeNA戦~6月1日・阪神戦=7連勝、4月19日・DeNA戦~5月5日・巨人戦=8連勝&1分けも記録した。

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