「オールスター第１戦、全セ８－６全パ」（１７日、東京ド）

　夢舞台で果たした盟友との競演。初出場の全セ・田中広（広島）が、成長した姿を見せつけた。代走で途中出場し、７－４の八回２死二塁で迎えた初打席。松井裕のスライダーを捉えた打球が、右中間を抜けていった。俊足を飛ばし適時三塁打をマーク。球宴初打席初安打初打点。「打点はシーズンにとっておきたかった」と、表情を緩ませた。

　試合開始前、東海大相模と東海大で同級生だった菅野とキャッチボールした。「（菅野が）粋な計らいをしてくれました」と感謝した。高校時代からプロ志望を抱きながら、ＪＲ東日本を経て１３年ドラフト３位で入団。遠回りした分、感慨もひとしおだった。

　球宴初打席で放った一打に、緒方監督は「初打席で打点つきのヒットはなかなか記憶にない」と目を細めた。

　試合前には「楽しめるわけないですよ。僕には場違いです」と謙遜。ただ、球宴用のスパイクとグローブを新調し、高校時代に神奈川大会で戦った横浜高出身の筒香とは和やかに談笑。実はしっかり楽しんでいた。

　試合後は「最後の方は楽しめました」と笑顔を見せた。隣にいた菅野から「あしたは（田中）広輔がホームランを打ちます」とハッパをかけられた。１８日は本拠地での球宴でスタメン出場の予定。さらなる一撃で、忘れられない夢舞台にしてみせる。