藤浪、シーズンでもMVP獲る!

 オールスター第1戦(17日・東京ドーム)でMVPを獲得した阪神・藤浪晋太郎投手(21)が19日、シーズンのMVP獲得に意欲を示した。後半戦へ向けて、今季の目標に掲げた年間180イニングを200イニングに上方修正。2005年以来のリーグ優勝を果たし、西武・森友哉捕手(19)との日本シリーズでの再戦に思いをはせた。

 2日間の球宴を思いきり満喫した。第1戦に登板した藤浪は3回パーフェクトに抑えてMVPを獲得。母校・大阪桐蔭出身の中村、中田、浅村、森も完璧に封じてみせた。お祭りを終え、その表情は充実感に満ちていた。

 「いい経験ができました。何より楽しかったです。大阪桐蔭出身の選手がこれだけ集まって対戦することも、なかなかないので」

 賞金300万円をゲットしたお祭り男は、シーズンでもMVP級の活躍を約束した。チームでは10年ぶりの勲章へ「取れるに越したことはないですね。『藤浪がMVP』と言われるぐらいの成績を残せるようにしたいです」と決意表明。実現すれば1962年・村山、85年・バース、03年・井川、05年・金本以来、5人目。そんな快挙も、今年の藤浪にとって、決して夢物語ではない。

 前半戦は7勝5敗、防御率2・62の好成績をマーク。113回1/3を投げ、「自分が今年の一番最初から言ってきたことですし、180イニングは達成したい」。さらに「200ぐらい投げられればよりいいでしょうし。手の届くところにあると思います」と目標を上方修正した。

 チームとしての最大目標は「リーグ優勝」ときっぱり。ファンが心待ちにするのは日本シリーズでの、森との真剣勝負だろう。球宴の第1戦では、後輩の要求通りに直球勝負。東京ドーム天井直撃の一飛に打ち取り、先輩の威厳を示した。一方で底知れない可能性も再確認。第2戦の一発をベンチで見届け「すごいとしか言いようがない」とため息を漏らした。その夜はフジテレビ系「すぽると!」に2人で生出演。絶妙な掛け合いで、仲の良さを披露した。

 前半戦を終え、阪神は3位、西武は2位。大舞台での再戦に「可能性はあると思う」。思いをはせると、自然と笑みがこぼれた。

 「打者としては対戦は避けたいですけどね(笑い)。ファンの方が喜んでくれるのが1番なので。対戦する機会があれば、ですね。(球宴で)抑えたと言っても紙一重なので」

 リーグ優勝、200イニング、シーズンMVP、森との再戦-。新たな目標設定が藤浪を奮い立たせる。ファンの期待を背負って、球界を盛り上げる。

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